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12. モデムの設定

PPP からモデムを使えるように設定する必要があります。このためには モデムに付属のマニュアルを読んでください。ほとんどのモデムは工場出荷時の設定 のままでも PPP から使えるはずです。最小限必要な 設定は、

  • ハードウェアフローコントロール(RTS/CTS) (Hayes 系のコマンドを採用して いる多くのモデムでは &K3です)

です。

その他、チェックした方がいい設定は(標準的な Hayes コマンドで示します)

  • E1 コマンドで Echo を ON に(chat に必要)
  • Q0 コマンドでリザルトコードを返すように(chat に必要)
  • S0=0 で自動応答を OFF に(モデムが電話に答える場合は不要)
  • &C1 で接続後にキヤリアデテクトが ON になるように
  • &S0 で DSR が常に ON になるように
  • (機種によって違いますが) DTR も ON になるように

コンピュータとモデムを接続する部分のモデムのシリアルインターフェイスが どうなっているかをチェックしておくのも有益です。たいていの新しいモデム ではシリアルインターフェイスの速度は固定になっており、電話回線の転送速 度は回線の状態によって自動的に接続可能な最高速にを選ぶようになっている はずです。

この方法は split speed operation と呼ばれ、お使いのモデムがこの機能を 持っている場合、モデムのシリアルインターフェイスは最高速度に固定して使 うのがいいでしょう(通常 115,200 baud ですが、14,400 baud モデムでは 38,400 までの場合があります)

通信ソフト(例えば minicom)を使って、モデムの設定を確認し、PPP に必要な 設定を行なってください。多くのモデムが AT&V で現在の設定 状態を返すようになっていますが、正確なところはモデムのマニュアルを参照 してください。設定がゴチャゴチャになってしまった場合、 たいてい AT&F で工場出荷時の設定に戻ります(私が試した新し いモデムでは工場出荷時の設定のままで PPP が使えましたが、チェックして みることをお勧めします)。

不揮発性の RAM に設定を保存します(通常、AT &W で設定を保 存しますが、詳細はモデムのマニュアルを御覧ください)

正しい設定を保存しておけば、モデムをリセットすればその設定が利用される ようになります。こうしておけば PPP 接続を張る際の chat スクリプトがずっ と簡単になるでしょう。

12.1 シリアルポートのフロー制御について

データがシリアル回線を通過する際、コンピュータの処理速度よりも速くデー タが届く場合があります(コンピュータが別の重い仕事をしている場合など。 Linux はマルチユーザー、マルチタスク OS です)。そのような場合でも データを失わない(入力バッファからデータが溢れなければ無くなりません)よ うにするにはデータのフロー制御が必要になります。

シリアル回線のフロー制御には 2 つの方法があります。

  • ハードウェアフロー制御(データ転送の際に Send/Request をクリアする - CTS/RTS)
  • ソフトウェアフロー制御(control S と control Q を使う)

通常のテキスト表示用のターミナルならば後者の方法でも構いませんが、PPP 接続の上を流れるデータは 8 ビット全てを使っているので cntl-S や cntl-Q がデータのどこかに現われる可能性はかなり高くなります。ですから、モデムがソ フトウェアフロー制御を使っている場合、すぐに制御不可能になります。

8 ビット全てを使う PPP 接続ではハードウェアフロー制御が必須です。


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