次のページ 前のページ 目次へ

2. IP 番号

インターネットに接続する全てのデバイスは独自の IP 番号を持っていなけれ ばなりません。IP 番号を管理するための組織は各国ごとに設置されています。

LAN を経由してインターネットに接続する場合、あらかじめその LAN 用に割 り当てられた IP 番号の中から、LAN に接続している全てのコンピュータとデ バイスの IP アドレスを設定しなければいけません。勝手に捏造し た IP 番号を使って LAN (インターネットは言うまでもなく)に接続しては いけません。最悪の場合、単に動かないだけでなく、あなたの「盗 んだ」 IP 番号が、既にその番号を使っているコンピュータの通信と干渉して 大混乱をもたらす可能性すらあります。

この文書の中で使う IP 番号は(いくつかの例外を除いて)、インターネットに 接続しないネットワーク用にあらかじめ用意されている番号の中から選んでい ることに注意してください。

インターネットに接続していない LAN 用に用意された IP 番号は以下の通り です。

  • Class A のアドレス 1 つ
    10.0.0.0 - 10.255.255.255
  • Class B のアドレス 16
    172.16.0.0 - 172.31.255.255
  • Class C のアドレス 256
    192.168.0.0 - 192.168.255.255

あなたの国の IP 番号の管理組織から IP 番号を割当ててもらっていない (閉じた)LAN には、上の IP 番号の中から一連の番号を割りあてて使っ てください。

これらの IP 番号はインターネットに接続しているデバイスには決して使ってはいけません。しかしながら、インターネットに接続しているマ シンのローカルなイーサネットインターフェイスに割当てることは可能です。 なぜなら、IP 番号というのは実際にはネットワークインターフェイスに付け るものであり、コンピュータに付けるものではないからです。ですから、イー サネットインターフェイスが (例えば)10.0.0.1 であっても、PPP を使ってイ ンターネットに接続する場合、PPP インターフェイスに別の(有効な) IP 番号 をサーバから割り当ててもらえば、PPP 経由でインターネットに接続すること は可能です。この場合、あなたのマシンからはインターネットに接続できます が、LAN に接続した他のコンピュータからは接続できません。

しかしながら、Linux と ipfwadm ソフトの IP masquerade 機能を使えば、 LAN に接続した他のマシンからもインターネットに接続することが可能になり ます(使えるサービスに多少の制限はありますが)。

masquerade 機能の詳細については IP Masquerade mini-HOWTO( Linux IP Masquerade mini HOWTO をご覧ください。

「一台のマシンを PPP を使ってプロバイダ経由でインターネットに接続した い」というほとんどの一般ユーザーにとっては、IP 番号(より正確にはネット ワーク番号)を公式に割りあててもらう必要はありません。

小規模の LAN をインターネットに接続したい場合、多くのインターネット接 続サービスプロバイダ(ISP)が、あらかじめ用意してある IP 番号の中から専 用のサブネット(IP 番号の特定の組)を割り当てるサービスを用意しています。

一台の PC を ISP 経由でインターネットに接続したいユーザに対して、ほと んどの ISP は動的な IP 番号の割り当てを行なっています。すなわ ち、接続した際に ISP から、その接続の際にのみ有効な IP 番号をあなたの PPP インターフェイスに割り当てる、という仕組みです。

動的な IP 番号の割り当て機能の場合、割り当てられる IP 番号は接続するた びに異なります。この場合、サーバタイプのアプリケーション、す なわち sendmail や ftpd、httpd などはうまく使えません。動的な IP 番号 の割り当てによる制限について(と可能な範囲でその制限をくぐりぬける方法 について)は後述します。


次のページ 前のページ 目次へ

[