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必要なソフトウェアのパッケージは、ダウンロードするなどして既に入手して
いるものとします。もっとも出回っているのは、tar でアーカイブして gzip
で圧縮してある .tar.gz または .tgz の形式です(よく "tarball" と言われ
ます)。まずは、このアーカイブファイルを作業ディレクトリにコピーします。
次に、tar の展開と gunzip を行います。これを行うため
のコマンドは tar xzvf [ファイル名]です。
言うまでもなく、[ファイル名] とはアーカイブファイルのことで
す。普通は、展開を行うと新たにディレクトリが作られて、そのディレクトリ
の中に適当なファイルが展開されます。注意: もしパッケージのファイル名に
.Z という拡張子がついていたら、上記の方法でも全く差し支えあり
ませんが、uncompress [ファイル名] とした後で、
tar xvf [ファイル名] としても展開できます。展開によっ
てどんなファイルが作られるかは、tar tzvf [ファイル名]
で前もって調べられます。このコマンドは実際にアーカイブを展開することな
く中に入っているファイルのリスト表示だけを行います。
"tarball" を展開する上記の方法は、以下の両方と同じ動作です:
- gzip -cd filename | tar xvf -
- gunzip -c filename | tar xvf -
('-' を付けると、tar コマンドは標準入力 から入力を行
います。)
bzip2(.bz2 )という新しい圧縮形式で圧縮されたソースファイル
は bzip2 -cd [ファイル名] | tar xvf - とすれば展開
できます。あるいは、tar p に bzip2 のためのパッチが当たってい
るなら、単に tar xyvf [ファイル名] とすれば展開できます
(詳しくは Bzip2 HOWTO
(日本語版:
http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Bzip2/Bzip2.html/,
英語版:
ftp://metalab.unc.edu/pub/Linux/docs/HOWTO/mini/Bzip)
を参照してください)。Debian GNU/Linux では Hiroshi Takekawa が書いた別
のパッチを tar に当てており、そのバージョンの tar で
は -I, --bzip2, --bunzip2 オプションが使えます。
[上記の情報の訂正と更新について R. Brock Lynn と
Fabrizio Stefani に深く感謝します。]
場合によっては、アーカイブファイルはユーザのホームディレクトリや、ある
いは別の特定のディレクトリ(/ , /usr/src , /opt
等)に展開しなければなりません。これはソフトウェアパッケージの設定情報
で指定されているでしょう。アーカイブファイルを展開しているときにエラー
が出たなら、このことが原因かもしれません。パッケージ付属のドキュメントファイル
(特に README や Install ファイル)があれば、そのドキュ
メントを読み、必要に応じて設定ファイルや Makefile を編集してください。
注意: 思いもよらない結果になることがあるので、普通は
Imakefile ファイルは編集しない方がいいでしょう。
ほとんどのソフトウェアパッケージでは、この手順は自動化されており、
make install と実行すればバイナリファイルが所定のシステム領域
に自動的に置かれます。
- インターネット上のニュースグループあたりだと
shar ファイル、つまりシェルアーカイブ(SHell ARchive)
形式のファイルに出食わすかもしれません。shar 形式が未だに使わ
れているのは、この形式は人間が読めるので、ニュースグループのモデレータ
が shar 形式で投稿された記事を整理し、不適切なものを排除でき
るからです。この形式は unshar [ファイル名].shar
コマンドで展開できます。その他の点では "tarball" と同じように扱います。
- 一部のソースアーカイブは、DOS や Mac, ことによっては Amiga の
標準でない圧縮ユーティリティで処理されていることがあります。これには
zip, arc, lha, arj, zoo,
rar, and shk 等があります。幸い、
Sunsite 等のサイトには Linux
用の圧縮ユーティリティが置いてあり、これらのほとんど全てを扱えます。
時として、元のソースファイルからの変更点を記してある パッチ
ファイルや diff ファイルを使って、展開したソースファイルを更
新したり、バグ修正を取り込んだりすることが必要な場合があります。
こういった場合にすべきことは、ドキュメントファイルや README
ファイルにのっています。Larry Wall が開発した強力な
patch ユーティリティの普通の使い方は
patch < [パッチファイル]です。
さて、それでは、構築の段階へと進みましょう。
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