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2. 各種音声フォーマットの再生音声のフォーマットにはたくさんの種類があります(WAV,MIDI,MPEG など). これから各種フォーマットと,それを再生することができるアプリケーション について解説します.
2.1 MIDI 形式MIDI は Musical Instrument Device Interface の頭文字を取ったものです.
MIDI ファイルには普通,拡張子
adagioこのパッケージには
もしあなたが GUS を持っていれば, (一部のハードウェアで起こる,バージョン0.5の)ちょっと困ったバグは音が
最後で切れてしまうことです.つまり,MIDIファイルで指定されている通りに
曲が終わるのではなく,長い休止の後の最後の音を演奏する前に,休止の前の
音符で曲を終えてしまいます.私にとっては,このバグは このパッケージには著作権表示が全くありません(少なくとも私は見つけられ ませんでした).ですから,私はこのパッケージは自由に配布・改変して良い ものだと考えています.(著作権法を厳密に解釈すれば,このようなことをす る権利は誰にも与えられないのですが,それは作者の意図とは違うと私は思っ ています.) このパッケージは Greg Lee 氏( このパッケージは
ftp://tsx-11.mit.edu/pub/linux/packages/sound/adagio05.tar.gz
で入手することができます.パッケージに含まれているバイナリは a.out 版
(昔のライブラリとリンクされている)であり, 自分でコンパイルするには少しだけ改造が必要です.実際にはたいしたことで
はありません.しなければならないのは Makefile の
TiMidity開発途中の プログラムですが,音質が良いので,このプログラムを勧め
る人もいます.(GUS 等の wavetable synthesis を持つサウンドカードではあ
まり差は出ませんが,Sound Blaster 16 では このプログラムは ncurses,SLang,Tcl/Tk,Motif のインタフェースも利用 できます. timidity を利用するためには Gravis Ultrasound パッチファイルが必要です. ここで言うパッチとは diff コマンドで生成するパッチではなくて,楽器等の 音情報が入っているファイルのこと(*.pat)です.従ってサウンドカードの種 類によらず,GUS パッチは必要となります.詳しくは,TiMidity に付属する FAQ を参照してください. 作者は Tuukka Toivonen 氏( timidity の最新版は TiMidity のホームページで入手できます.このページ には,GUS パッチのライブラリへのリンクもあります.
playmidiこれは FM, GUS, 外部 MIDI を使って MIDI ファイルを演奏するプレイヤーで す.他の MIDI プレイヤーより起動は速いようです.また,CMF 形式 (Creative Music Files),マイクロソフト RIFF 形式,さらに Ultima 7 のよ うなゲームに含まれている大量の MIDI アーカイブも演奏することができます. playmidi には X 版と SVGA 版のインタフェースがあります.また,各チャン
ネルの音符全てを追跡表示したり,現在の演奏時間を表示しながらリアルタイ
ム演奏するオプション機能を持っています( SVGAインタフェースを使う場合には,以下のように実行しなければなりません.
これは,端末の tty モードが正しくリセットされないからです.SVGA インタ フェースは近いうちになくなるかもしれません. 作者は Nathan Laredo 氏( playmidi は ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/playmidi-2.3.tar.gz で入手することができます.
2.2 module 形式(コンピュータ・ミュージックの世界では) module 形式というのはサンプリン グした音とシーケンス情報からなる音楽ファイルです.どのサンプル音(楽器) が,どのトラックに,どのピッチで,(オプションとして)どのような効果(ビ ブラート等)を加えて鳴らされるかをプレイヤーに指示します. MIDI 形式に対する優位性としては,(人間の声などを含む)どんな音でも利用 できる点があります.また,プラットフォームにかかわらずほぼ同じ音が鳴る という利点もあります.これは module 形式にはサンプリングした音が含まれ ているからです.欠点は MIDI と比較してファイルサイズが大きくなってしま うことです.もう一つの欠点として,きちんとした標準フォーマットがないと いう点もあります.(「本当の」標準形式は ProTracker のものだけなのです が,多くの module ファイルは ProTracker 形式と互換ではありません.)こ のファイル形式は元は Amiga で使われていたものです. 最も一般的なフォーマットのファイルは
trackerこれは非常に移植性の高い(たくさんのプラットフォームへ移植されている)プ
ログラムで,Soundtracker と Protracker の module ファイルを演奏できま
す.16ビットのステレオ出力を用いており,音質は非常に良いです.もし,手
軽に CPU の負荷を減らしたいならば, これは(作者によれば) giftware プログラムです.作者は Marc Espie氏
( 既に Linux 用に Makefile を変更してあるものを ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/tracker-4.3-linux.tar.gz から入手することができます.
gmodこれは Gravis Ultrasound カード用の module プレイヤーです. 4/6/8 チャ ンネルの MOD 形式,8チャンネルの 669 形式,MultiTracker(MIM) 形式, UltraTracker (ULT) 形式,FastTracker (XM) 形式,ScreamTracker III (S3M)形式のフォーマットをそれぞれサポートしています. このプログラムはバージョン 3.0 以降のサウンドドライバを必要とします. また,当然ながら GUS も必要です.自由な音量調整をできるようにするため にはカーネルを少し変更する必要があるかもしれません. このプログラムには X 版のインタフェースが用意されています.これは,QT ツールキット(バージョン 0.99 以降が必要)を使うものです.QT ツールキッ トについての詳しい情報は, QT ツールキットホームページ を参照してください. このプログラムは自由に配布できます.オリジナルは Hannu Savolainen 氏が
書いたものですが,現在は Andrew J. Robinson 氏
( このプログラムは, ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/gmod-3.1.tar.gz から入手できます.
MikModこれは,XM,ULT,STM,S3M,MTM,MOD,UNI形式の module ファイルを演奏す
ることができる移植性の高いプレイヤーです.(UNI形式は MikMod が内部的に
使っているフォーマットです.) zip によって圧縮された module ファイルも
サポートしています.出力は 16bit ステレオです.CPU への負荷を手軽に抑
える必要があるなら, Unix 版は ncurses か Tck/TK のインタフェースを使います.また,独立のプ ログラムとしてだけではなく,ライブラリとしても利用できます. 元々の作者は Jean-Paul Mikkers 氏 ( このプログラムは MikMod ホームページで入手できます.
xmpこれは module 形式のプレイヤーで(Adagio パッケージに含まれる
作者は Claudio Matsuoka 氏( このプログラムは xmp ホームページで入手することができます.
s3modこのプログラムは 4/6/8 トラックの MOD module ファイルと Scream Tracker
3 の module ファイルを演奏することができます.このプログラムはデフォル
トではサンプリングレート 22kHz の 8bit モノラル出力を使用します.ステ
レオ出力を使うためには このプログラムは Daniel Marks 氏と David Jeske氏 ( このプログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/s3mod-v1.09.tar.gz から入手できます.
modこのベータ版プログラムは Gravis Ultrasound カードを使って MOD
(15/31 楽器,32声まで),MTM,ULT,S3M 形式のファイルを演奏することがで
きます. このプログラムを使うには少なくともバージョン 3.0 以降のサウンドドライ バが必要です.バージョン 2.90-2 以前のサウンドドライバではうまく動 きません.テキスト版のインタフェースを使うには ncurses が必要です. Tcl/Tkを使うX版のインタフェースもあります. 作者は Mikael Nordqvist 氏 ( このプログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/mod-v0.81.tgz から入手することができます.
nspmodこのアルファ版のプログラムは MTM,S3M,MOD形式の module ファイルを演
奏することができます.このプログラムは DSP(Creative Lab 社が DSP と
読んでいるものと混同しないでください)の無いサウンドカードを特に意識し
ている module プレイヤーです.このプログラムは このプログラムは module ファイルの繰り返し演奏機能を持っています.繰り
返し回数は 作者は Toru Egashira 氏( プログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/nspmod-0.1.tar.gz から入手できます.
yampmodこのアルファ版のプログラムは,最小の CPU 資源で 4チャンネルの module ファイルを演奏できるよう設計されています.高音質の演奏は目的で はありません.ですから,22kHz のモノラル出力だけが可能です.また, 再生の音質もアルファ版の状態を反映していて,クリアではありません. 作者は David Groves 氏( プログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/yampmod-0.1.tar.gz から入手することができます.
2.3 MPEG 音声ストリームMPEG は映像とそれに付随する音声をデジタル情報として保持するための符号
化の規格です.普通は MPEG と言えば映像のことですが,MPEG 規格の音声の
部分を映像とは別に利用することもできます.MPEG 規格では音声について3つ
のレイヤーを定義しています(レイヤー I, II, III).数字の大きいレイヤー
のファイルを展開できるプレイヤーは数字の小さいレイヤーのファイルも再生
できます(例えば,レイヤー III のプレイヤーはレイヤー II の音声ファイル
を再生できます).レイヤー I の MPEG 音声には,動画の場合と同じ拡張子
mpg123このβ版のプログラムは,効率の良い MPEG 音声ストリームのプレイヤー で,レイヤー I, II, III をサポートしています.このプログラムはいろいろ なソースから集められたコードを元にしています.このプレイヤーは,HTTP で読み込んだストリームをリアルタイムで再生することができます. (つまり, ウェブ上で直接 MPEG 音声を再生することができます.) 主な作者は Michael Hipp 氏( 最新バージョンは mpg123 ホームページで入手できます.
maplay 1.2この MPEG 音声ストリームプレイヤーはレイヤーIとIIのストリームしかサポー トしておらず,レイヤーIIIはサポートされていません.16bit サウンドカー ドを載せた Linux システム上で利用できます. このプログラムは CPU への負荷がかなり高く,60MHz の Pentium では 55%
もの CPU 時間を消費します.66MHz の 486 だと音声処理が間に合わず,聞く
に耐えない演奏になってしまいます.このような状況になってしまったら,標
準のステレオ出力はあきらめて,オーディオ出力のどちらか片方だけを再生す
ることにしてください( このプログラムをコンパイルするためにはファイルの1つを少し変更する必要
があります.具体的には
作者は Tobias Bading 氏(
maplay 1.3bこれは 修正は Orlando Andico 氏( このプログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/maplay-1.3b-Linux.tar.gz から入手できます.
maplay3これも 修正は Timo Jantunen 氏( このプログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/maplay3.tar.gz から入手できます.
splayこれはさらに別の
コンパイルの後(Segmentation fault 等のエラーで)うまく動かない場合には, スレッドを利用しない設定で再コンパイルしてみてください. 作者は Jung Woo-jae 氏( このプログラムは splay のホームページ から入手できます.
Sajber Jukeboxこのプログラムは GUI を持っている MPEG 音声プレイヤーです.これは
このプログラムは QT ツールキット を用いています(少なくともバージョン 1.2 が必要です).また,LinuxThreads ライブラリも用いています(パッケー ジに含まれる実行ファイルはバージョン 0.5 でしか動作しません). 作者は Joel Lindholm 氏( 最新バージョンは ftp://kewl.campus.luth.se/pub/jukebox か ら入手できます.
ampこれはレイヤーIII の MPEG 音声ストリームのみをサポートしたβ版の プレイヤーです.直接サウンドカードで再生させることと,非圧縮 PCM や WAV ファイルへ出力することができます.CPUへの負荷は大きいです(133MHz の Pentium で約60%). 作者は Tomislav Uzelac 氏( このプログラムは ftp://ftp.rasip.fer.hr/pub/mpeg/amp-0.7.3.tgz から入手できます.
XAudioこのα版のライブラリは,色々な GUI のフロントエンドから利用される 高速な MPEG 音声デコードライブラリの実装として作られました.このライブ ラリは MPEG レイヤーI, II, III に対応しています.ビットストリームへの ランダムアクセスも可能です.インタフェースはコマンドラインのものが付い ています.Linux 版には Motif(Lesstif)を使ったフロントエンドも付属して います. このライブラリは Gilles Boccon-Gibod と Alain Jobart 等のメンバーが作 成したものです.ライブラリの各種フロントエンドは自由に入手することがで きます.ライブラリそのものを使用するにはライセンスが必要です(ソースラ イセンスとバイナリライセンスがあります). ライブラリのフロントエンドは XAudio ホームページ で入手することができます.
シェアウェアの レイヤーIII エンコーダ/デコーダこれはプレイヤーではなく,MPEG のレイヤーIII音声ストリームを WAV,AIFF, SND,AIFC,非圧縮 PCM 形式ファイルに変換するプログラムです.Linux 版は 音声を直接再生することができないので,音声をまず他のファイル形式に変換 してから再生しなければいけません. しかし,変換したファイルを 高速なコンピュータ上(少なくとも Pentium 100MHz 以上)では,以下の例のよ
うにすれば レイヤーIII MPEG 音声ストリームを一度他のファイル形式に変換
することなく直接再生できるので試してみてください.(この例では
このプログラムは Fraunhofer-IIS 社の著作物であるシェアウェアです.x86 用 Linux 上で動作するデモ版は ftp://ftp.fhg.de/pub/layer3 から入手することができます.デモ版の制限はレイヤー III の音声ストリー ムしか変換できないことです.
X11Ampこの β版 のソフトウェアは, Windows の
著作権表示はどこにもありません.(筆者は個人使用ならば自由に利用できる
ものと考えています.)このプログラムは Mikael Alm 氏
( このプログラムは X11Amp のホームページ から入手できます.Intel 版 Linux と FreeBSD 用のバイナリはここから入手できます.
2.4 WAV
このデータ形式はIFF形式ファイルに非常によく似ていますが,同じものでは ありません.これは Windows 3.1 の基本サウンドファイル形式です.Windows 3.1 はコンピュータ産業で非常に重要な位置を占めているので,専用のサウン ドファイル形式を持たなければいけなかったのでしょう. WAV 形式のファイルは普通は拡張子 ここで挙げない WAV プレイヤーとして sox と bplay の章も見てください.
wavplayこのプログラムは WAV 形式のファイルの録音と再生をすることができます. このプログラムは同時に一つの音声しか再生されないようロッキングを行いま す.このロッキングの機能は,音声再生とは別に使うこともできます. コマンドラインのインタフェースに加えて,Motif のインタフェースも利用で きます.Motif は Lesstif で代用することもできます. このプログラムの元々の作者は Andre Fuechsel 氏
( このプログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/wavplay-1.0.tar.gz から入手できます.
2.5 その他のツールなどこの章では(プレイヤーがたった1つしかない音声フォーマットなど)単独の章 にできない音声フォーマットのプレイヤーや,複数の音声フォーマットを扱え るプレイヤーについて説明します.
soxこのプログラムは実はコンバータで,ある形式のサウンドファイルを他の形式
に変換するものです.しかし,一部のバージョンの
バージョン1.3.6xあたりのカーネルを使っている場合は,直接音声を再生でき
るようにするために少し変更を行う必要があるかもしれません.その場合は
から
とします.繰り返しますが,変更する必要はないかもしれません.しかし,変
更して問題が起こることもないと思います.
このプログラムは多くの人達の著作物であり,任意の目的に利用できます. このプログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/convert/Lsox-linux.tar.gz から入手できます. Chris Bagwell 氏 (
bplayこれはβ版のプログラムで,raw audio,WAV,VOC 形式のファイルを再
生及び録音することができます.このプログラムは遅いマシンでも十分な速度
が得られるよう,さまざまな高速化の技術を用いています.このような高速化
技術のうちの1つは root に setuid してインストールすることを要求します.
これがとても気になる人は,Ian Jackson 氏( 作者は David Monro 氏( このプログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/bplay-0.96.tar.gz から入手することができます.
SIDPLAYこのプログラムはコモドール64の Sound Interface Device(MOS 6581, 一般に SID と呼ばれます)チップと MPU(MOS 6510)をエミュレー トします.従って,このプログラムで音楽や効果音を出すコモドール64用のプ ログラムを実行することができます.一般的には,これらはゲームやデモのプ ログラムから取り出されたコードとデータの独立した集まりで,コモドール64 から直接転送されます. デフォルトではコマンドラインのインタフェースを使うようになっています. パッケージ本体とは別に Tk や QT のインタフェースも利用できます. このプログラムは Michael Schwendt 氏( このプログラムは SIDPLAY のホームページ で入手することができます.
RealAudio Playerこれは,専用のフォーマットを用い,最初に音声ファイル全体をダウンロード することなく,インターネット上でリアルタイムの音声再生を実現します.ス タンドアロンでも使うことができますが,ウェブブラウザとともに使うことが 主目的です(Mosaic と Netscape で公式にサポートされています).X 無しで は利用できません(コンソールで Lynx と一緒に使うことはできないでしょう). しかし,コンソールから RealAudio Player を実行する方法も存在します.こ れには X の仮想フレームバッファ(Xvfb)サーバが動作していることが必要で す.実行を可能にするプログラムは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/players/traplayer-0.5.tar.gz から入手できます. RealAudio Player は Progressive Networks, Inc. 社の製品で,再配布や改 変などはできません.利用範囲についての詳細はライセンスを参照してくださ い. RealAudio home page で登録すれば,無料で入手できます.
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