このセクションでは Linux マシンに接続する X 端末を動かすのに必要なハー ドウエア、ソフトウエアに対する変更について議論します。以下の例では X 端末は "whisper" ("ひそひそ話" 音をたてないからです)という名前で、 Linux ホストマシンは "imlinux" (私は Linux だよ)と名づけています。彼ら はドイツ(.de )の "frog" ドメインの双方です。 IP ナンバーは次のようになっ ています。
192.168.13.1 for imlinux.frog.de ( Linux マシン )
192.168.13.41 for whisper.frog.de (Linux マシンにリンクした X 端末 )
これらは正式なインターネットに接続していないシステムに対してスタンド アローンの IP ナンバーであることに注意してください。そして私が知ってい る限りではドイツに frog というドメインはない、ということに注意してくだ さい。ネット上に他のマシンはなく、NFS はインストールされていないと仮定 しています。
両方のマシンをケーブルで接続するのはあっけないほど簡単なはずです。2 つのシリアルポートを持っている X 端末もあるので、両方使うなら、ある速 度で動くことができるだけだということにどうぞ注意しておいてください。X 端末のマニュアルを詳細に検討してください。あとで X 端末のイーサネット ナンバーが必要になります。たとえまだ接続ができていなくても、X 端末の起 動中に画面に表示されます。
ケーブルを正しく接続したら、イーサネット接続をテストできます。X 端末 を起動すると、まず、 bootpd や tftpd の呼び出しに反応がなかったとエラー を出し、その後で、通常は X 端末の ROM の一部であるオペレーティングシス テムを起動します。このことは、X 端末から Linux マシンにイーサネットを テストできるように素朴な ping コマンドを持っているはずだということです。 もしうまくいかなくてもちゃんと別の方法があるのでパニックになってはいけ ません。 たぶん X 端末が応答できるようになるには十分なオペレーティング システムを必要とします。
基本的に必要な設定については上に述べた Net2-HOWTO で説明されているは ずです。ここでは、すでに TCP/IP を持ち、そしてちゃんと設定され、動作し ていると仮定します。X 端末はネット上で他のコンピュータと接続していると 考えられるので、あなたは Linux マシンと X 端末が、それぞれ相手方の IP アドレスを知り、そして彼らがネット上にいることを確かめなければなりませ ん。
X 端末に関する情報は少なくとも次に示すファイルに記述されています。
次のように X 端末の IP ナンバー書いた行を加えます。
# /etc/hosts Linux マシンに対する行です。
# lprhost とloghost はオプション
192.168.13.1 imlinux imlinux.frog.de lprhost loghost
# X 端末に対する新しい行は次の通りです。
192.168.13.41 whisper whisper.frog.de
このファイルはイーサネットナンバーと関連するホスト名のリストを揃えます。 これはすべての配付物とセットアップで必要であるように思え ないですが、場合によっては X 端末のイーサネットナンバーと そのホスト名を書き入れなくてはいけないでしょう。 ここでは次のようになっています。
04:03:e8:cc:0d:24 imlinux
0f:03:11:31:45:f1 whisper
(もちろん、イーサネットナンバーはにせもの)
[named、 routed、 gated のようなプログラムを動作させるなら、さらに変 更を必要とします。私は使っていないので、変更しなければならないファイル があるなら、どなたかが私の書き足りないことを穴うめをしてくださるなら感 謝致します。]
すべての変更がちゃんとできているかを確認するために Linux マシンを再 起動させます。
編集しなければならないファイルについて、 X 端末のマニュアルをチェックし てください。私の場合、次のものが登録を変更する必要があった主要な設定ファ イルでした。
ip_host_table 192.168.13.1 imlinux
ip_host_table 192.168.13.1 imlinux.frog.de
ip_host_table 192.168.13.41 whisper
ip_host_table 192.168.13.41 whisper.frog.de
file_access_1 TFTP
file_host_name_1 imlinux.frog.de
file_path_1 /usr/local/xterm/liveshere
display_access_table whisper
display_access_table imlinux
enable_access_control YES
xdmcp_server imlinux
broadcast_address 192.168.13.255
default_telnet_host imlinux
X 端末はディレクトリ /usr/local/xterm/liveshere
から tftp 経由で
ファイル類を選びだし、端末は XDMCP( xdm の設定にとって重要) を動作させること
ができるのに注意してください。
また、フォントのようなものに対して別の設定ファイルがあります。あなた
はすでに Linux にインストールされたフォントを使えるようにできているは
ずです。私の場合、フォントに対するファイル( font.tbl
)は、同じ効果に対
して2、3行からなっていて次に示したものと似たものになっているでしょう。
/usr/lib/X11/fonts/75dpi
/usr/lib/X11/fonts/100dpi
...
/usr/local/xterm/misc
/usr/local/xterm/openlook
のちほど、X 端末が Linux マシンを起動する時、首尾よくロードしたファイ ルのリストを表示するはずです。
もうひとつ、X 端末で「バッキング・ストア」、すなわち、他のウィンドウ によって隠れている部分が(サーバーとなる)Linux の RAM に保存されるので はなく、X 端末の RAM に保存されるような設定にしたくなるでしょう。さら なる情報については X 端末のマニュアルを調べて下さい。
bootpd は起動時に X 端末の助けの呼び声を聞くデーモンで、X 端末にそれ
が誰であり、ダウンロードしたいソフトウエアをどこで見つけることができる
かを効果的に返答します。ある理由があって bootpd は新しい配付物、とりわ
けSlackware 2.2.0.1 には含まれていません。FTP経由で、あるいは他のとこ
ろからそれを得なければならないということです。それから、 /usr/sbin/
(マニュアルではそうなっているようですが、/etc
ではなく)に、
in.bootedpd
を置きます。
/etc/inetd.conf
に次の行を加えるか、あるいはコメントアウトします。
bootps dgram udp wait root /usr/sbin/tcpd /usr/sbin/in.bootpd
これは boot request が見つかれば、inetd が bootpd を起動するのを確実に します。
bootpd に対する設定ファイルは /etc/bootpd
です。シンタックスは man
ページで説明されています。われれれの例では、/etc/bootpd
ファイルはこの
ようになります("サーバ"という言葉がここでは再び従来の意味で使われてい
ます)。
# Sample /etc/bootpd file
# First, global entry for stuff every host uses
allhost:hd=/usr/local/xterm/liveshere:\ # Home directory XT software
:ds=192.168.13.1:\ # Domain name server (imlinx)
:sm=255.255.255.0:\ # Subnet mask
:gw=192.168.13.1:\ # Gateways
:ts=192.168.13.1:\ # Time Servers
:lp=192.168.13.1:\ # lpr Servers
:to=-7200: # Time Offset in seconds
# Next, individual entries of every single host. Futher XTs would
# have their own entry
whisper:ht=ethernet:\ # Type of hardware link
:ha=0f03113145f1:\ # Ethernet number of X terminal
:ip=192.168.13.41:\ # IP number of X terminal (whisper)
:tc=allhost:\ # Template for standard options as above
:bf=xtermOS: # Boot file name - the X terminal's OS
X 端末のオペレーティングシステムの名前は hd (ホームディレクトリ)登録の
一部として含まれていないかもしれません。われわれの例では、オペレーティ
ングシステムとして取り込むのは
/usr/local/xterm/liveshere/xtermOS
というファイルですが、その hd の
登録は /usr/local/xterm/liveshere
です。
この例で、X 端末が OS として取り込むファイルは、
/usr/local/xterm/liveshere/xtermOS
ですが、そのホームディレクトリは
/usr/local/xterm/liveshere
です。
bootpd は /var/adm/syslog
と /var/adm/messages
の両方に情報を書き出します。それはちゃんと起動すれば、
次のように確認できるはずです。
Jul 17 05:19:42 imlinux in.bootpd[110]: connect from 0.0.0.0
Jul 17 05:19:42 imlinux bootpd[110]: reading "/etc/bootptab"
Jul 17 05:19:42 imlinux bootpd[110]: read 2 entries from "/etc/bootptab"
Jul 17 05:19:43 imlinux bootpd[110]: request from hardware address 0F03113145F1 Type 1
Jul 17 05:19:43 imlinux bootpd[110]: found 192.168.13.41 whisper
X 端末を起動するのを援助した後、bootpd は15分ほど待機します。 それからそれ以上なすべき仕事がないなら自分自身を削除します。
tftp (Trivial File Transfer Program)は、Linux のハードディスクからそ のオペレーティングシステムをロードするために X 端末によって使われます。 tftpd はすべての Linux 配付物に含まれているはずですが、設定ファイルを 持っていません。コマンドシェルから tftp と入力することで tftp をテスト できます。
bootpd での場合と同様、/etc/inetd.conf
に次の行を入れるか、あるいは
コメントアウトしなければいけません。
tftp dgram udp wait root /usr/sbin/tcpd /usr/sbin/in.tftpd
tftp は全ユーザーに読みだし許可があるファイルにだけアクセスできるこ
とに注意しましょう。また、tftp はあなたが覚えておかなくてはいけない潜
在的なセキュリティホールであり、 ある種の Linux パッケージに含まれる
tftp のバージョンはより安全な使用に対して -r
(あるいは -s
)
フラグを含んでいません。
また tftp は /var/adm/messages
に記録を書き出します。bootpd が首尾よ
くその仕事をしているなら、かなり長い間、次の行に似たようなものが記録さ
れるはずです。
Jul 17 05:19:43 imlinux in.tftpd[111]: connect from whisper
Jul 17 05:19:58 imlinux in.tftpd[113]: connect from whisper
Jul 17 05:19:59 imlinux in.tftpd[115]: connect from whisper
Jul 17 05:20:00 imlinux in.tftpd[117]: connect from whisper
Jul 17 05:20:03 imlinux in.tftpd[125]: connect from whisper
Jul 17 05:20:05 imlinux in.tftpd[127]: connect from whisper
これらは X 端末が Linux コンピュータのホームディレクトリに要求している ファイルです。あなたはこのような移転が起こっている間 X 端末のスクリー ン上でメッセージを見るでしょう。
上に述べたフィル類を一度修正すれば、 X 端末を起動することができるは ずです。製造者に依存するので、X 端末のスクリーンのいくぶん冗長なメッセー ジは何が起こっているかを教えてくれるでしょう。見つからないファイルにつ いてメッセージを注意してみましょう。
すべてがうまくいけば、X 端末は X 自身のバージョンを表示できる段階に 進むはずです。モノクロの背景と X カーソルを表示する段階です。すでに Linux マシンで xdm を動作させているなら、いくつかの定義がまだ正しい場 所にないので、少し混乱するかもしれませんが、xdm ログインプロンプトを出 すかもしれません。最後の手段として、Linux マシンからルートで xdm を中 断する準備をしなさい。
たいていの X 端末は起動オペレーティングシステムの一部として telnet クライアントに似た機能を内蔵しています。Linux コンピュータに telnet す ることでさらにリンクをテストできます。
この時点で、アクセスがどのように成立するかに依存するので、X 端末でディ スプレイオプションを使って X プログラムを起動することができます。Linux コンピュータから、次のように試します。
xclock -display whisper:0 &
このコマンドは X 端末上に xlock を表示します。このような方法で fvwm のよう なウインドウマネジャーさえ起動させることができます。