Debian/TOWNS FAQ 作成者 Debian/TOWNS チーム 2001年7月16日版 前置き(免責事項、その他):このドキュメントは、杉谷 正三 氏 が作成された Debian/TOWNS FAQ 1999年2月12日版 をもと に、われわれ Debian/TOWNS チームが作成したものです。したがって、このド キュメントの内容に関しては、このチームが責任を負うものです。何かお気づ きの点などがあった場合、われわれの Debian/TOWNS チーム(管理者:樽 さん ) まで、E-mail にて御指摘頂けましたら幸いで す。ただし、このドキュメントは基本的に無保証です。原因に関わらず、この ファイルに起因するあらゆる損害についての保証はできません。 at your own risk (あなたの責任) で作業を行なって下さい。また、作成者はサポートの義 務も負いません。このドキュメントは、杉谷 正三 氏を始めとする、多くの人 々の知識と経験があってこそ作成することができたものです。それぞれの方の 名前を挙げることはしませんが、ここに深く感謝します。 ______________________________________________________________________ 目次 1. はじめに 1.1 FAQ って何ですか? 1.2 TOWNS で Linux といえば Slackware じゃないんですか? 1.3 それでは Debian って何ですか? 2. 入手法と情報 2.1 Debian/TOWNS はどこで手に入りますか? 2.2 Debian/TOWNS について書かれたドキュメントにはどのようなものがありますか? また、それはどこで手に入りますか? 2.3 Debian/TOWNS の Web ページはありますか? 3. メーリングリスト 3.1 Debian/TOWNS について質問できる mailing-list(ML) はありますか? 3.2 では、その Debian/TOWNS の ML に参加するにはどうすればいいですか? 3.3 ML の過去の記事を検索できますか? ML に参加していなくてもできますか? 4. ハードウェア 4.1 Debian/TOWNS は TOWNS ならどれでも動きますか? 4.2 どういった周辺機器がサポートされていますか? 5. ソフトウェア 5.1 TOWNS で起動可能な Debian の install 用 CD-ROM は作成されていますか? 5.2 なぜ、インストーラを起動するのに TOWNS-OS を経由する方法をとったのですか? 5.3 なぜXXXXはパッケージ化されていないのですか? 5.4 Debian/TOWNS は頻繁に変更が加えられているようですが、通常の Debian と 同様に再インストールせずに、バージョンアップ可能ですか? 5.5 バグを発見しました。どこに報告すればいいですか? 5.6 Debian/TOWNS は Debian JP の一部ですが、これは Debian JP の他の パッケージ同様、将来 Debian にアップロードされ取り込まるということを 意味しますか? 5.7 Debian/TOWNS で X Window System を動かすためには、どのパッケージを インストールすれば良いですか? 5.8 X Window System の画面をコンソール画面に切り替えるにはどうすれば良いですか? 6. Debian/TOWNS チーム 6.1 Debian/TOWNS (FAQ) チーム って何ですか? 7. おわりに 7.1 転載条件 7.2 変更履歴 ______________________________________________________________________ 1. はじめに 1.1. FAQ って何ですか? FAQ とは、英語の Frequently Asked Questions with answers を略したもの で、訳すと「よくある質問と解答を集めたもの」を意味します。ニュースグル ープやメーリングリストを見ていると、良く似た質問がたびたび繰り返されて います。それを集大成したものが、FAQ になります。また、FAQ の発展形が HOWTO になりますので、困ったときは、先ず HOWTO を捜してみるのが、早道 になる場合が多いでしょう。 この FAQ は、FM-TOWNS 上の Debian (Debian/TOWNS) を使うユーザに対し て、 FM-TOWNS 固有の事柄について述べているものです。 Linux は、FAQ や HOWTO の文書類が充実していることで有名ですが、FM-TOWNS 固有の事柄につ いてとなると、それは期待できません。この FAQ を頼りにするしかないで しょう。もし、この FAQ に知りたいことが載っていなかったら、ぜひ下記の ``メーリングリストの章'' を参照して質問してください。それが、この FAQ を充実させることになり、あなたは Debian/TOWNS の貢献者になります。 1.2. TOWNS で Linux といえば Slackware じゃないんですか? Linux の FM-TOWNS への移植は、当初はその時点で唯一ともいえるディストリ ビューションであった Slackware に対して進められ、市販 CD-ROM の「Linux + JE4」や「RunRun Linux」などの書籍の添付 CD-ROM に収録されました。そ の後 Slackware 以外にも多くのディストリビューションが作成され、FM- TOWNS 版もこのうちのいくつかのディストリビューション用に作成されていま す。これらのうちの一つが Debian です。 Debian/TOWNS は、FM-TOWNS 用のインストーラ、X ウィンドウやその他の FM- TOWNS 専用パッケージ、そして数多くの Debian パッケージから構成されてい ます。一部の AT 互換機専用のコマンドは FM-TOWNS では動作しませんが、多 少注意するだけで日常的に問題なく使用できます。 Debian/TOWNS は、Debian JP プロジェクトによって配布されており、 Debian が置いてある多数の FTP サーバから自由に取得できます。 1.3. それでは Debian って何ですか? Debian とはフリーなオペレーティングシステム (OS) であり、その基本部で あるカーネルと、数多くの基本プログラムやユーティリティから構成されてい ます。現在、そのカーネルとして Linux を採用し、GNU プロジェクトに由来 する多くの基本ツールから構成した集合体が広く利用されており、これを Debian GNU/Linux と呼んでいます。Debian について詳しくは Debian のホー ムページ をご覧ください。 2. 入手法と情報 2.1. Debian/TOWNS はどこで手に入りますか? この部分の情報は、しばしば更新される可能性を持つものです。以下での最新 情報を、さきにチェックされることをお勧めします。 o Debian JP プロジェクト: FTP & WEB サイト o Debian JP プロジェクト: CD-ROM 情報 最新の Debian/TOWNS (potato版) はオンラインにて公開されています。詳細 は『Debian/TOWNS インストールガイド』 をご覧ください。 〇 FTP サイト Debian JP Package FTP サイト その他に、数多くのFTP ミラーサイトがあります。たとえばその一例と して、 o 日本Linux協会 o SoftAgency Co. Ltd. o Tokyo Internet o Ring Server などがあります。 〇 CD-ROM 最近、出版される Debian 関係の本 (書籍/雑誌/ムック) で、CD-ROM が添付されているものには、主として容量の点が関係して Debian/TOWNS が入らなくなっています。Debian 2.1(slink) までのも のなら、Debian-JP が入っていれば、収録されている可能性が高いで す。 ◇『Debian GNU/Linux』 著者:鵜飼 文敏 / 鴨下 聡 / 八田 修三 / 前原 恵太 / 柳原 良亮 / 吉山 あきら 発行:ソフトバンク 定価:3500円 + 税 ISBN4-7973-0754-4 添付CD-ROM:Debian GNU/Linux 2.0 + Debian-JP パッケージ Debian/TOWNS 2.0 ◇『今日から Debian GNU/Linux』 著者:芳尾 桂 発行:オーム社 定価:2800円 + 税 ISBN4-274-06300-3 添付CD-ROM:Debian GNU/Linux 2.0 + Debian-JP パッケージ Debian/TOWNS 2.0 1999 年 2 月 初版発行 注意:『今日から Debian GNU/Linux2.2』の添付CD-ROMには、 Debian/TOWNS が含まれていません ◇『Debian GNU/Linux 徹底入門』 著者:武藤健志 発行:翔泳社 定価:4800円 + 税 ISBN4-88135-711-5 添付CD-ROM:Debian GNU/Linux 2.0 + Debian-JP パッケージ + 著者セレクトによるnon-free集 Debian/TOWNS 2.0 1999 年 1 月 初版発行 注意:『改訂版 Debian GNU/Linux 徹底入門 potato 対応』 の添付CD-ROMには、Debian/TOWNS が含まれていません ◇『DEBIAN GNU/LiNUX 2.1 日本語対応版』 発売元:ネットビレッジ ◇『Linux Japan 1999年 5月号』 発売元:株式会社五橋研究所 Linux Japan編集部 添付CD-ROM:Debian GNU/Linux 2.1 + Debian-JP パッケージ Debian/TOWNS 2.1 2.2. Debian/TOWNS について書かれたドキュメントにはどのようなものがあ りますか? また、それはどこで手に入りますか? まず最初に、Debian/TOWNS を含む Linux/TOWNS 全般の情報として、 JF プロ ジェクト にある「Linux/TOWNS 情報メモ 第 2版」 を、先に 参考にされることをお勧めします。 Debian/TOWNS そのものを扱っている文書としては、 1. 古典的名著 (^^;; o MEMO.txt - インストールからシステム管理まで扱っています。 o TODO.txt - 開発者向けの文書です。 2. Debian/TOWNS チーム作成文書 o FAQ.txt - この文書です。:-) o install.txt - Debian 2.2(potato) のインストール方法を解説してい ます。 があります。いずれも (準備中: ) から、入手できます。 また現在公開されている potato 版インストーラを使って woody 版にアップ グレードした記録 「potatoからwoodyへ」 もあ ります。 2.3. Debian/TOWNS の Web ページはありますか? 本家 Debian/TOWNS のページ (準備中: ) Debian/TOWNS について書かれた Web ページのリスト o TOWNS + Linux = SHU's homepage o Heart to Heart : LOVE o 何かへの近道 [載せて欲しいというページがあれば、ぜひご連絡ください。] 3. メーリングリスト 3.1. Debian/TOWNS について質問できる mailing-list(ML) はありますか? そのものズバリ、Debian/TOWNS の ML があります。 われわれ Debian/TOWNS チームも、この ML を中心にして、活動を行なってい ます。ドキュメントやパッケージの作成・更新などは、ここが舞台になって行 なわれています。 TOWNS ユーザーで、Debian に興味を持っている方なら、「どんな質問で も、OK!」というスタンスをとっています。自動講読にはなっていませんが、 ぜひお気軽に参加ください。 この他には、以下の ML があります。 o FM-TOWNS Club うんずの森 TOWNS ユーザーの情報交換の場として、Linux/TOWNS についても積極的に 情報交換されています。入会法、規約などについては、 をご 覧ください。 o Debian JP Users メーリングリスト 日本語による Debian についての情報交換を目的として運用されていま す。詳しくは、 を ご覧ください。 3.2. では、その Debian/TOWNS の ML に参加するにはどうすればいいです か? 参加方法は、ML の管理人の樽 さん あてに、E- mail で申し込んでいただくことになります。 3.3. ML の過去の記事を検索できますか? ML に参加していなくてもできま すか? 残念ながら、現時点ではできません。 4. ハードウェア 4.1. Debian/TOWNS は TOWNS ならどれでも動きますか? Marty を除く全ての TOWNS で動作します。ただし、CD-ROM 制御チップ交換サ ービスを受けていない初代 TOWNS では内蔵 CD-ROM ドライブが使用できない ので注意が必要です。 4.2. どういった周辺機器がサポートされていますか? ここでは、TOWNS に標準装備されているものも含めて列挙します。 詳しくは、TOWNS 用のカーネルソース (/(展開先)/linux/Documentation/TOWNS/) 内のドキュメント (*.txt) も参照してください。 ハードディスク、MO 等のドライブ、テープ・ドライブ、CD-ROM ドライブ (いずれも SCSI 対応) 内蔵 CD-ROM ドライブ フロッピィディスクドライブ(内蔵、外付け) 2DD(720K) japanese2HD(1232KB, 1024byte/sector) 2HC(1200KB, 512byte/sector) 2HD(1440KB) TOWNS マウス、FMR マウス(キーボード横のコネクタに接続するタイプのマウス) TOWNS パッド、ジョイスティック(アナログ/デジタル) 2ボタン・パッド、マーティーパッド、6ボタン・パッド、 アナログ・ジョイスティック対応。 ワイヤレスコマンダ(FMT-RCT1) シリアルポート 通信ソフト等で RS-232C ポートをアクセスするときに使います。 プリンタ セントロ・プリンタを使うためのものです。 PLIP セントロ・ポートを使って IP 接続して通信するためのものです。 (ただし、ケーブルの工作が必要です) LAN カード(イーサネットカード) MIDI カード ビデオカード II/IIA/III Windows アクセラレータカード(FMT-3631 等) 漢字 ROM IC メモリカード AMD Am5x86 write back で使う場合。 (ただし、ODP カードに半田付けが必要です) **その他 TOWNS 固有ドライバのサポート部分 サウンド関係 MIDI、PCM、FM/PCM音源等の音に関する機能をサポート。 フレームバッファ 画面(CRTC、VRAM、カラーパレット、ビデオカード)のアクセス。 RTC カレンダ・クロックです。 スプライト・パターン RAM RAMDISK として使うこともできます。サイズは 128KB です。 仮想コンソール TOWNS のコンソール(キーボードとディスプレイ)は一組ですが、 これをあたかも複数組あるかのように使うことができます。 親指シフトキーボードで親指シフト入力もできます。 **使用可能なファイルシステム minix(システムインストールの時以外は使われない), extfs(下記の ext2fs の前身、ほとんど使われない), ext2fs(現在の linux 標準), xiafs(上記の minix のファイルシステムの制限を改善したもの), msdos(DOS のファイルシステム。通常区画、EXT区画、DOS512区画に対応), umsdos(DOS ファイルシステム上に UNIX 系のファイルシステムを入れるもの), vfat(Windows95 のファイルシステム。ロング・ファイルネーム対応), iso9660(ISO-9660 およびロックリッジの CD-ROM), hpfs(OS/2 のファイルシステム。Read Only), sysv(System V や Coherent ファイルシステム), ufs(System V や Coherent のファイルシステム), affs(Amiga FFS ファイルシステム), nfs(ネットワーク・ファイルシステム), smb(Microsoft Network のネットワーク・ファイルシステム), ncp(Novell NetWare が使用しているファイルシステム), proc(カーネル、ハードウェア等の情報を記録する疑似ファイルシステム) 5. ソフトウェア 5.1. TOWNS で起動可能な Debian の install 用 CD-ROM は作成されていま すか? 現在のところまだ作成されていません。このFAQを読んでいるあなた! 挑戦し てみませんか? 5.2. なぜ、インストーラを起動するのに TOWNS-OS を経由する方法をとった のですか? 最初(Debian 0.93R5 から 1.1 の頃)はフロッピーでのインストールでした。 現在の形になってからインストールフロッピーを自分が使わなくなったので、 作るのが面倒なだけです。 5.3. なぜXXXXはパッケージ化されていないのですか? いくつか理由が考えられます。 1) そのソフトは自由に変更・再配布ができないから。 2) 配布条件がドキュメントに明記されていないから。 3) 誰もやる人がいないから。 1) の場合はパッケージ化されることはありません。 2) の場合は配布条件が 確認されて、配布可能ならばパッケージ化されるかもしれません。でも、3) が一番大きな問題です。 5.4. Debian/TOWNS は頻繁に変更が加えられているようですが、通常の Debian と 同様に再インストールせずに、バージョンアップ可能ですか? 1.3 以上のバージョンの Debian をベースにした Debian/TOWNS では、TOWNS のソフトも dpkg でパッケージ管理されていますので可能です。それ以前のバ ージョンでは、ベースシステムにパッケージ管理システムの範囲外での変更が いくつか加えられていたので、できないかもしれません。 5.5. バグを発見しました。どこに報告すればいいですか? Debian JP Project のバグ報告管理システムにお願いします。 バグの報告は submit@bugs.debian.or.jp へのメール送信によって行います。 メッセージ本体の最初に 「Package:」「Version:」で始まる各行を用意し、 そこにパッケージ名とそのバージョンを記述します。あとは、バグの発生した 環境、バグの再現に必要な情報などを書いて submit@bugs.debian.or.jp へ送 信すれば完了です。なお、1 つのバグ報告につき 1 つのメールを送ってくだ さい。詳しくは および をごらんください。 うんずの森 (``メーリングリストの章''を参照) に報告しても開発者に伝わる とは思いますが、確実ではありません。 5.6. Debian/TOWNS は Debian JP の一部ですが、これは Debian JP の他の パッケージ同様、将来 Debian にアップロードされ取り込まるということを 意味しますか? 杉谷 正三 氏 (Debian/TOWNS の初代の開発者) 曰く: Debian/TOWNS の開発関係者が僕一人のままだとやらないでしょう。 # カーネルパッチ, Xtowns, Debian/TOWNS がそれぞれ本家に取り込まれる # 日を夢見て開発やってますが。 5.7. Debian/TOWNS で X Window System を動かすためには、どのパッケージ を インストールすれば良いですか? o ここでは、Debian のバージョン 2.2 (通称 potato) を想定して話を進め ます。 o なお、Debian のバージョン 2.3 (通称 woody) の場合は、進藤さんが作成 された文書 「potato から woody へ」 の 中に、詳しく説明されてありますので、参考にしてください。 Debian/TOWNS で X Window Systemを動かす場合の TOWNS 固有の注意点は、次 の一点だけです。 Debian/TOWNS で X Window System を動かすためには、 Debian/TOWNS すべて に共通のパッケージと、グラフィックカードに応じたパッケージの 2 つをイ ンストールします。 o 共通のパッケージ 1. xtowns-common o グラフィックカードに応じたパッケージ 1. xserver-towns-crtc (FM TOWNS 標準グラフィックサーバ用) 2. xserver-towns-oldfb (FM TOWNS 標準グラフィックサーバ用 : 旧フレ ームバッファ版) 3. xserver-towns-clgd (cirrus サーバ用) 4. xserver-towns-fmt3631 (Win アクセラレータカード用) グラフィックカードに応じたパッケージは、あなたのマシンにふさわしい ものを 1 つ選んでください。 通常は、xtowns-common と 1. の xserver-towns-crtc の組合せになるで しょう。この組み合わせなら FM-TOWNS の全機種で動作します。また FM- TOWNS2 モデル HA/HB/HC では 3. の xserver-towns-clgd も動作します。 4. は オプションカードである Windows アクセラレータカード FMT-3631 を装着 してある場合に利用可能です。 [ 注意 ] ここで使用している "xserver-towns-crtc" などのパッケージ名は、あ くまでもこの文書を読み易くするための略称です。正式なパッケージ名 は、現時点 (2001年1月31日) では xserver-towns- crtc_3.3.6-2.towns.1.deb です。ここでは、他のパッケージ名も同様 に略称を用いています。 『Debian/TOWNS インストールガイド (install.txt)』の 6.7 章に従って APT を設定しておいてください。そして 6.7 章の(7)に記してある《 Debian/TOWNS 専用のアーカイブの記述例 》に従って、1行追加することをお 忘れなく。そうすればグラフィックカードに対応したパッケージを指定するだ けで、共通のパッケージは自動的にインストールされます。 # apt-get install xserver-towns-crtc もしかすると、インストール中に、次のように聞いてくることがあるかもしれ ません。 No default X server previously set, or previous default has been removed. Do you want to make the CRTC X server the default ? (y/n) [y] (これまでに X サーバが設定されたことがないか、設定されたものが削除され ました。CRTC X サーバをデフォルトに設定しますか ?) これには y と答えてください。 Do you want to create the XFree86 configuration file ? (y/n) [y] (Xfree86 設定ファイルを作成しますか ?) これには n と答えてください。あとは通常の Debian の X Window System の インストールと同様に行うことができます。 下の [ 表 ] は、Debian/TOWNS で X Window System を動かすために最低限必 要な、すべてのパッケージの依存関係を、分かりやすいように表したもので す。 APT はパッケージの依存関係を認識して、必要なパッケージを自動的に インストールします。したがって上記のコマンド 1 つで、下の [ 表 ] で 「1) サーバ」 と分類しているものの中で必要なものは、すべて自動的にイン ストールされます。 次に PC/AT 互換機を含めた全部の i386 アーキテクチャ機に共通のパッケー ジをインストールします。 # apt-get install xbase-clients xfonts-base xfonts-75dpi \ xfonts-100dpi xfonts-scalable xfonts-cjk twm xterm そして X Window System を動作させるためには、 APT によるインストールの 後、次の作業を行ってください。 - グラフィックカードの種類に応じて、次のいずれかを実行する。 1. xserver-towns-crtc: # cp /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.FM /etc/X11/XF86Config 2. xserver-towns-oldfb: # cp /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.FM-TOWNS /etc/X11/XF86Config 3. xserver-towns-clgd: # cp /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.FM /etc/X11/XF86Config その後, XF86Config の Screen sections を修正します。以下は 1024x768 ピ クセル 256 色設定の例です。 Section "Screen" Driver "svga" # Device "FMCRTC" # Device "FMCRTC2" Device "FMCLGD" Monitor "Multi sync" # Monitor "NTSC" DefaultColorDepth 8 Subsection "Display" Depth 8 # Modes "640x480" # Modes "640x480" "800x600" # Modes "640x480" "800x600" "1024x768" Modes "1024x768" "640x480" "800x600" ViewPort 0 0 Virtual 1024 768 EndSubsection 4. xserver-towns-fmt363: # cp /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.FM /etc/X11/XF86Config その後, XF86Config の Screen sections を修正して、 Driver "svga" のセ クションをすべてコメントにし、 The accelerated servers の Driver "accel" 以下を有効にします。 以上で X Window System のインストールは完了です。最後に startx コマン ドを実行すれば、X Window System が起動します。 # startx [ 表 ] X Window System 構築に必要なパッケージ一覧 (for Debian/TOWNS) 1) サーバ xserver-towns-crtc, xserver-towns-clgd or xserver-towns-fmt3631 ├ towns (townsutils のことを指します) ├ xtowns-common ├ xserver-common │ └ xfree86-common ├ makedev ├ libc6 └ zlib1g 2) クライアント xbase-clients ├ cpp ├ libc6 ├ libncurses5 ├ libz1 (zlib1g のことを指します) └ xlib6g 3) フォント xfonts-base xfonts-75dpi xfonts-100dpi xfonts-scalable xfonts-cjk 4) ウィンドウマネージャ twm (とりあえず、これで X Window Systemが正常に │ 動作しているかテストしましょう) └ menu 5) X 用端末 xterm or kterm (日本語表示可能、標準) ├ ncurses-term └ locale-ja or rxvt-ml(日本語表示可能、軽い) ├ xpm4g └ base-passwd [ 注意 ] 依存関係で重複するパッケージ (例: libc6 等) も かなりありますが、この表中では後出箇所で省略しています。 5.8. X Window System の画面をコンソール画面に切り替えるにはどうすれば 良いですか? X Window System の画面で [CTRL]+[ALT]+[PF1] を押すと、コンソール画面 1 に切り替わります。またコンソール画面で、[CTRL]+[ALT]+[PF7] を押すと X の画面に戻ります。なお、[CTRL]+[ALT]+[BackSpace]で X Window System を 終了することもできます。 6. Debian/TOWNS チーム 6.1. Debian/TOWNS (FAQ) チーム って何ですか? 目的 1999年4月9日、武藤健 氏が TOWNS ML に以下の文書をポストされました。 | 杉谷さんが作られた「Debian/TOWNS FAQ」ありますよね。あれをチームを組ん | で作成してみませんか。すでに杉谷さんがおおまかな形を作ってくださってい | ますので、まずは情報を埋める作業からはじめて、次第に独自の拡張をしてい | こうと思っています。 この記事に賛同した者で作ったのが、Debian/TOWNS FAQ チーム です。 そしてその後、Debian/TOWNS そのもののメンテナンスも積極的にやっていこ うということになり、現在は「Debian/TOWNS チーム」と改称しています。 要するに、FM-TOWNS を使っていて、Debian に興味を持っていたら、誰でも参 加できる、きわめてオープンな集りです。あなたも、ぜひチームに参加くださ い。 7. おわりに 7.1. 転載条件 このドキュメントの転載は自由に行なって下さい。その際、文字コードの変換 など「必要な」変換は文書の内容に影響しない範囲で許可無く行なって構いま せん。 7.2. 変更履歴 o 2001年7月16日版 o 修正 5.8 o 2001年7月15日版 o mailto: を削除 3.2 o 追加 5.8 o 2001年5月28日版 o SGML 化により章番号、フォーマットを変更 o 2001年5月15日版 o チーム名を Debian/TOWNS チームに変更 o 追加 1.3 o 全面修正 1.2, 2.2, 2.3, 3.1 o 部分修正 2.1, 3.2, 5.6, 6.1 o 2001年2月23日版 o 5.7 大幅に修正 o 2000年3月4日版 o 6.1 参加方法 (MLアドレス、管理人)の変更 o 1999年12月18日版 o 5.7 を追加 o 1999年9月10日版 o 作者を、杉谷 正三氏から Debian/TOWNS FAQ チームに変更。 o 回答部分を大幅に追加。 o 1999年2月12日版 o 質問・回答を追加。 o 1999年1月25日 初版