12. 将来的にはもっと簡単になるでしょうか?

なります。事実、既にそうなってきていると著者は考えています。ただ、先ほど 説明したように、現在の安定版カーネル (2.0.x シリーズ) では、i-node の 間接ブロック番号はファイルの削除時にゼロに戻されてしまいます。しかしこれは 2.1.x シリーズの開発版カーネルと 2.2.x の安定版カーネルには当てはまりません。 今これを書いている日時が 1999年2月2日なのですが、数日前にカーネル 2.2.1 が リリースされたところです。1, 2 カ月すれば、Linux ベンダーは 2.2.x カーネルを 使ったディストリビューションを作りはじめるでしょう。

安定版カーネルで間接ブロックに伴う困難が克服されれば、著者が手動で i-node をいじることに反対していた論拠の多くも消失します。同時に、debugfs 付属の dump コマンドを大きなファイルに対して 使用したり、もっと簡単な他の復旧ツールを使うといったことが可能になる でしょう。