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3. lesstifのコンフィギュレーション

 lesstif のコンフィギュレーションは今回 GNU autoconf によって処理され ています。[ヒストリカルノート:ある時期 Paul Hoad によって寄与された Imakefile パッケージを使用していましたが、現在このパッケージは使用して いません]

 あなたのシステムに適合させるために lesstif をコンフィギュレーション するには「configure」とタイプするだけです。なおコンフィギュレーション は lesstif をビルドするために必要な設定を正確に実施するべきですが、冗 長に指定すると失敗する可能性があります。

 コンフィギュレーションではあなたのマシン上から次の2つの項目を探しま す。

  • X11R5/R6/R6.1 のヘッダーとライブラリ
  • Motif 1.2 のヘッダーとライブラリー(オプション)

 コンフィギュレーション中にこれらを見つけた場合は、どこにあったかを画 面に表示します。逆に見つけることができなかった場合はコンフィギュレーショ ンするために改めてコマンドライン上で下記のオプションを使ってパスを指定 してください。次の2つのオプションはX関連のパスを指定するために使用し てください:

--x-includes
--x-libraries

 また Motif 関連のパスを指定するには次を使用してください:

--with-motif-includes
--with-motif-libraries

注釈 :あなたのシステムに Motif がなくても心配する必要はありません。ク ライアント(mwm など)とテストプログラム(lesstif をインストールすると 同時に付いてきます)は lesstif か Motif のどちらかにリンクされていれば いいのです。なお Motif のバイナリは .motif の拡張子を持ち、lesstif が Motif 互換であることを確認するために使用することもできます。

 これらのフラッグにはファイルのパスをセットしなければならないのですが、 そのような場合は:

configure --x-includes=/usr/local/X11R5/include
の様に指定してください。他のフラグもこれと同様にパスを設定してください。

注釈: コンフィギュレーションがシステム上の X 又は Motif を探し出せな かった時は、インクルードパスとライブラリパスの両方を指定しなければなり ません。

 コマンドライン上で使用可能な他のフラグもあります。以下のフラッグに対 しては「yes」又は「no」を指定することができます:

--with-gcc
--with-gmake
--with-shared
--with-static
--with-textXm
--with-testMrm

  •  --with-gcc は lesstif のコンパイルに GNU CC を使用するかデフォルトの システムCコンパイラを使用するかを指定してコンフィギュレーションさせる ことができます。「no」を指定した場合 gcc は使用されず、また「yes」を指 定した場合はシステムコンパイラは使用されません。通常このフラグを使用す ることはないでしょう。gcc があればデフォルトの引数は「yes」となり、gcc がインストールされていない場合は「no」になります。

  •  --with-gmake は lesstif のコンパイルに GNU make を使用 するようにコンフィギュレーションをします。もし「no」を設定した場合、あなたの システム上の make を使用するように makefile を生成します。 逆に「yes」を設定した場合、 GNU make を使用するように makefile を生成します。逆接的に言えば GNU make 用にコンフィギュレーション した場合は GNU make を使用しなければなりません。またシステム固有の make 用にコンフィギュレーションした場合はそのシステムの make を使用しなければ ならないのです。

     あるシステムには GNU make と同じ文法(少なくとも我々が使用する機能に おいて)で使用できる make が提供されています。確かに理論的には GNU make 用の makefile に対してその make を使用することが可能ですが、我々 としては推薦しません。あなたが実際にこの組合せで問題を生じた時はその make と GNU make 両方で動かせるパッチが欲しいと思うでしょうが、そのシ ステム個有の make だけを使用しているならば我々には依頼しないでください。

     このフラッグのデフォルトは「no」です。ある OS にはビルドのプロセスを 完了させるに十分な機能を供給できない make があります。それに該当する以 下のプラットホームでは GNU make だけがサポートされています:

    • IRIX (5.x と 6.x)
    • HPUX
    • AIX
    • DG/UX
    • OSF/1 (Digital Unix)

     これ以外の OS ならどちらでも選択することができます。我々は GNU make を使うことを勧めますがあなたの好きな方を使ってください。

  •  --with-shared はコンパイル時に共有ライブラリをビルドしたいときにコン フィギュレーションに指定します。共有ライブラリをビルドした場合、テスト プログラムは(テストプログラムをビルドするためのコンフィギュレーション 指定方法は後述されています)共有ライブラリにリンクし、ディスクスペース を縮小します。可能ならば共有ライブラリを使用することを推薦します。

     共有ライブラリをビルドするにはコンパイラ(GNU CC 又はシステムの CC) とシステムの両方が共有ライブラリをサポートしている必要があります。次の 表は共有ライブラリをビルドすることのできる OS とコンパイラを示していま す:

    OS                GCC        CC 
    ----------------------------------- 
    HPPA-HP/UX 9      YES*        YES 
    Linux             YES**       N/A
    FreeBSD           YES         N/A
    NetBSD            YES         N/A
    OpenBSD           YES         N/A
    AIX 3             YES         YES
    IRIX 5.x/6.x      YES         YES
    DG/UX 5.x         YES         YES 
    OSF/1             YES         YES
    Solaris 2.x       YES         YES 
    SunOS 4.x         YES         YES 
    SysV              YES         YES
    

    * GCC はバージョン 2.7.0 以降より HPPA マシンのための position independent code( PIC )をサポートしています。つまりこのマシンで共有 ライブラリをビルドするためには 2.7.0 以降でなければなりません。

    ** ELF 共有ライブラリは ELF 対応の gcc を使用する必要があります。なお a.out 用の共有ライブラリもまだ使用可能です。詳細はアーカイブ内の etc/README.linuxaout を読んでください。

  •  --with-static はコンパイル時、静的ライブラリをビルドしたいときにコン フィギュレーションに指定します。もし共有ライブラリをビルドできるならば デフォルトは「no」になります。共有ライブラリがあなたのシステムでサポー トされていないか、或いは「--with-shared=no」を指定していれば静的ライブ ラリをビルドするように設定されます。またコマンドライン上で「 --with-static=yes」としても静的ライブラリをビルドするように設定 されます。

     「--with-static=yes」と「--with-shared=yes」の両方を指定 することはできますが、逆に「--with-static=no」と「 --with-shared=no」を同時に指定することはできません。 意識的にそれを行うとコンフィギュレーションは静的ライブラリーだけをビルド するように makefile を生成します。

  •  --with-testXm は lesstif のビルドと同時に testXm ライブラリのテスト プログラムをビルドしたいときにコンフィギュレーションに指定します。ただ しこれを実行するとテストプログラムが数えきれないほどあるため、莫大な時 間と巨大なディスクスペース(特に --with-static を指定していた場合)が 必要です。この理由からデフォルトは「no」となっています。ただしデフォル トのままであっても testXm ディレクトリの(さらにそのサブディレクトリも 含めて) makefile は生成されるため、後で必要なときにいつでもテストをビ ルドし実行させることができます。

  •  --with-testMrm--with-testXm と同様なフラグですが、 testMrm ディレクトリに適用されます。


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