Installing Linux Explorer Written by Joshua Go 作成日: 1997年7月26日,最新版: 1998年4月18日 翻訳者:川岸 良治 作成日:1998年8月8日 【訳注】この文書は のホームページを、作者の許可を得て翻訳したものです。 【訳注終り】 Linux Explorer という X のファイルマネージャは、Linux/X11 のインタフェ ース用に書かれたもので Windows 95 の「エクスプローラ」とよく似ていま す。 Windows 95 のルック & フィールを X のデスクトップに持ち込むファイ ルマネージャのインストールを支援するためのガイドを書くことに対して、一 部の(あるいは殆んどの) Linux のグル(導師、権威者)達は、私を完全に軽蔑 するかもしれませんが、私はこれは素晴らしいものだと思っています。 1. 公式情報とダウンロード Linux Explorer のホームページは http://jungfrau.ptf.hro.nl/explorer/ です。公式の情報を探している方 は、このページを訪ねて下さい。 Qt のホームページは http://www.troll.no/qtinfo.html で す。前記の URL と同じことが言えます。 私がこのセクションを書いた理由は、Linux Explorer を実行するにはいくつ かのオプションのソフトと同様に Qt も必要だからです。私の場合 Qt のセッ トアップはスムーズにいきましたが、それには少し読んだり考えたりすること が必要でした。一度で全てのことを済ますために、下記のファイルをダウンロ ードすることをお勧めします。 * Qt ライブラリの最新版 ftp://ftp.troll.no/qt/source/qt-1.33.tar.gz * libdl.so (既にお持ちの人もいるでしょうが、念のため...) ftp://susix.jura.uni- sb.de/pub/linux/source/libc/ld.so-1.9.7.tar.gz * Linux Explorer ftp://ftp.luna.nl/pub/unix/explorer/explorer-0.74.tar.gz 【訳注】原文では 0.72 となっていますが翻訳時点での最新は 0.74 です。 Linux 用のバイナリは下記のところから入手できま す。 http://www.x-plorer.org/download/binaries/linux/xplorer.tgz 【訳注終り】 * 見かけを、より Windows の「エクスプローラ」のようにするアイコン http://jungfrau.ptf.hro.nl/explorer/download/ms_icons.tar.gz または、HTTP とウェブブラウザを介して Josh's Computing Site から直接ダ ウンロードすることもできます。 * explorer-0.72.tar.gz * kde_icons.tar.gz * ms_icons.tar.gz * ld.so-1.9.7.tar.gz * qt-1.33.tar.gz 上に記したものは、必ずしも最新版ではないかもしれませんが、執筆時点もし くは最後にアップデートした時点ではそうでした。何らかの理由でこれらのサ イトに接続する際にトラブルが生じた場合、私にその旨を連絡して頂ければ、 私ができることはします。最新版はどれかを知るには、 Linux Explorer ダウ ンロードページ も 見る必要があります。 2. Qt qt-1.33.tar.gz ファイルを /usr/local/ にコピーまたは移動し、root 権限 でこれを展開する必要があります。すると /usr/local/ にディレクトリを作 成しますが、そのディレクトリ名を qt というディレクトリ名に変える必要が あります。例えば、/usr/local/qt-1.33 に展開された場合、/usr/local ディ レクトリ上で # mv qt-1.33 qt と入力して、これを /usr/local/qt というディレクトリ名に変更します。次 に、 # cd qt と入力してワーキングディレクトリを `qt' に変更します。 `qt' ディレクト リに移ったら、スクリプトに設定を開始させるために # make linux-gcc-shared と入力し、最後に # make と入力するだけで、必要なものを全てビルドします。 次に、システムに対して Qt ライブラリがどこにあるかを教える必要がありま す。環境変数をセットするために下記を /etc/profile (の最後がよいでしょ う)に記述します。 【訳注】bash の場合、 /.bash_profile か /.profile に書き加えても良い でしょう。また、csh、tcshの場合、適宜修正の上 /.loginに書き加えること が出来ます。【訳注終り】 ______________________________________________________________________ QTDIR=/usr/local/qt MANPATH=$QTDIR/man:$MANPATH LD_LIBRARY_PATH=$QTDIR/lib:$LD_LIBRARY_PATH LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH CPLUS_INCLUDE_PATH=$QTDIR/include:$CPLUS_INCLUDE_PATH PATH="$PATH:/usr/X11R6/bin:$QTDIR/bin" export QTDIR MANPATH LD_LIBRARY_PATH LIBRARY_PATH CPLUS_INCLUDE_PATH ______________________________________________________________________ これらの環境変数の詳細は、Qt アーカイブに添付の INSTALL ファイルをご覧 下さい。 export で始まる行は、デフォルトのシェルである bash 以外のシェ ルを使用する場合のみ必要です。例えば、デフォルトのシェルは bash だけど tcsh を使いたいという時は、これを追加する必要があります。私が何を話し ているのか分からないのであれば、これを気にする必要なく、そのままにして おいて構いません。このことを私に教えてくれたJustin に感謝します。 環境変数が Qt ライブラリのパスを見つけることができなくておかしくなると きは /usr/local/qt/lib/ 内の全てのファイルを /lib へコピーします。私の 場合は、これで問題がなくなったようなのですが、殆どの人は前述の環境変数 の設定通りでうまくいく筈です。/etc/profile を変更してから、ログアウト して再度ログインするか、または bash をリスタートしましょう。 もっと良い解決策は /etc/ld.so.conf ファイルに /usr/local/qt/lib (また は自分の Qt があるところ)を追加し、ldconfig を実行することであると私は 思います これは、システムがスタートアップする時、またはプログラムがシステムにラ イブラリのことを尋ねる時の、プログラムがサーチするデフォルトのパス に、Qt ライブラリのディレクトリを置きます。 (私はプログラマではないの で、よく分かりませんが...) 環境変数の設定を有効にするには、ファイルをセーブしてからログアウトし Explorer を使いたい時に再びログインして下さい。 【訳注】Qt をインストール後 /usr/local/qt/examples/ の下にある各サンプ ルプログラムが正しく動作することを確認しておくとよいでしょう。ここで Segmentation fault (core dumped) というエラーが出ることがありますが kinput2 が動作しているときに Qt を起動すると、こうなるようで す。kinput2 と Qt を共存させるためには以下のようなスクリプトを作成しま す。例えば、hello というサンプルプログラムであれば #! /bin/sh export XMODIFIERS="" exec /usr/local/qt/examples/hello/hello $* という内容の hello_test という名前のファイルを作り、 $ chmod 755 hello_test で実行可能にしてから、 $ hello_test で実行します。なお、上記の内容は Linux user's ML のログ24450,24467から 引用しました。 【訳注終り】 3. libdl.so 基本的にあなたがするべきことは、ld.so-1.9.7.tar.gz を好きなディレクト リに # tar -zxvf ld.so-1.9.7.tar.gz で展開してから、 root 権限で # sh instldso.sh としてインストーラを実行するというのが全てです。これはライブラリをビル ドし、 (ライブラリを適切に組織化させるために) ldconfig の実行、などが 行なわれます。 4. Linux Explorer アーカイブを展開した後 $ ./configure を実行し、 $ make して root 権限で # make install とするだけです。待つのがいやなら、一度で各処理ができるように以下のよう に入力します。 # configure ; make ; make install 私の記憶によれば make install した後、Explorer のバイナリファイルは正 しいディレクトリに置かれます。これは xterm ウィンドウから $ explorer と打ち込むことが出来る、またはウィンドウマネージャのメニューの一部を作 る (.*rc ファイルまたはその他のあなたが使っているウィンドウマネージャ に依存するファイル名のメニューファイルを編集する)ということを意味しま す。 【訳注】 make 中に cd . && autoconf /bin/sh: autoconf: command not found make: *** [configure] Error 127 のようなエラーが出る場合の対処については後述の Author's Notes の項をご 覧下さい。【訳注終り】 【訳注】私は、最初ソースファイルから make しようと試みたのですが make 中に下記のようなエラーが出ました。 ______________________________________________________________________ ranlib libxplorer.a make[1]: Leaving directory `/usr/local/xplorer-0.74/src/lib' cd src/bin ; make make[1]: Entering directory `/usr/local/xplorer-0.74/src/bin' c++ -I../.. -I. -I../lib -I../include -I/usr/local/include -g -O2 -I/usr/local/ qt/include -DHAVE_CONFIG_H -DEXPLORERDATADIR="\"/usr/local/share\"" xplorer.cpp -o xplorer -L/usr/local/qt/lib -lqt -ldl -L/usr/local/lib -L../lib -L/usr/X11 /lib -lSM -lICE -lxplorer -s; /usr/local/lib/libxplorer.a: could not read symbols: File truncated ______________________________________________________________________ 対処の仕方が分からなかったので、結局バイナリファイルを入手し以下のよう にしてインストールしました。 # cd / # tar zxvf ~/xplorer.tgz 【訳注終り】 5. アイコン ガイドのこのセクションの冒頭で示したアーカイブ一覧の中の余分なアイコン は、 Linux Explorer をより一層 Windows 95 らしく見せます。 Linux Explorer に添付の古いアイコンは、root 権限で # tar -czvf /usr/local/share/icons-old.tar.gz /usr/local/share/icons/* と入力してバックアップしておくことをお勧めします。もちろん、デフォルト のアイコンを使っても構いません。 ms_icons.tar.gz はどこでも適当な所に展開できます。展開した後 root 権限 で以下のようにタイプすることにより、展開したディレクトリの内容をコピー します。 # cp -f ./ms-icons/* /usr/local/share/icons ここで Linux Explorer をスタート(またはリスタート)してみましょう... 全てうまくいけば OK! そうでなければ、もう少しこの文書を読み続けて下さ い。以下に、あなたの問題を解決する内容があるかもしれません。 6. Author's Notes Red Hat 5 システムは、glibc2 と呼ばれる新しい C ライブラリを使用してい ます。ある人は Linux Explorer の起動時に segmentation fault を起こすと 報告していますが、私もそれを経験しています。これをどうやって解決すれば よいのか、私は知りません。御免なさい。 ある人は初期化時に autoconf されないと報告しています。あなたが Red Hat をお使いなら、 # rpm -q -a | grep "autoconf" と入力して autoconf がインストールされているかを確認して下さい。これが autoconf-2.12-1 のように表示されたら、問題は別のところにあります。これ を書いている時点で、この問題を解決する方法を知りません。このコマンド は、 RPM のリストを読み出し、文字列をサーチします。単にプロンプトが表 示されるだけならば、autoconf はインストールされていません。近くの Red Hat ミラーサイトから .rpm ファイルをダウンロードして下さい。 Paul J. Thompson (このページに関して私にメールを出し、また Debian シス テム用に Linux Explorer のパッケージをビルドした人) によると Debian の ユーザは # dpkg -l autoconf と入力して autoconf がインストールされているかを確認することができま す。このコマンドは単純に autoconf のパッケージステータスを表示します。 autoconf がインストールされていれば、このコマンドの出力のステータスカ ラムに "ii"と表示される筈です。そうでなければ "pn" (または、その他の ?n という組合せ)とステータスカラムに表示されるでしょう。同様に Qt ライ ブラリがインストールされているかは # dpkg -l qt1 と入力すれば確認できます。同じことですが、インストールされていれば "ii"、インストールされていなければ "pn" ("?n")と表示されます。これらの パッケージは、あなたの近くの Debian のミラーサイトで見つけることができ るでしょう。 autoconf は "devel" セクションで、Qt ライブラリパッケージ (qt1)は "non-free" セクションにあるでしょう。 Slackware をお使いなら、tar および gzip されたアーカイブを prep.ai.mit.edu/pub/gnu/ から FTP で ダウンロードする必要があります。私がこれを最後に調べた時、そのディレク トリ内の最新バージョンは autoconf-2.12.tar.gz というものでした。この情 報を私にくれた勇敢な魂の持ち主は、同じィレクトリ内の m4-1.4.tar.gz と 呼ばれるファイルもダウンロードする必要があった、とも言ってます。匿名に して欲しいと言う、その人によれば、これはインストール用の命令も添付され ているとのことです。autoconf アーカイブは標準的な # ./configure ; make ; make install でインストールできます。最初に m4 を、次に autoconf をインストールし、 そしてそれらの後であなたのシステム上の Linux Explorer のビルドで残され た所に戻ります。 【訳注】 autoconf のバイナリパッケージ autoconf-2.12.tgz を入手し以下 のようにしてインストールするとよいでしょう。これは例えば Slackware 3.4 の4枚組の CD-ROM の1枚目にも入っています。 # cd / # tar zxvf /cdrom/contrib/autoconf-2.12.tgz 【訳注終り】 他の問題 ... これは Linux Explorer に限定されたものではありません。コ ンパイラは時々ハードウェアが原因でエラーを出し、いくつかの .o ファイル に関するエラー (通常は Sig11 エラー) を吐き出します。これを解決する最 も簡単な方法は、その .o ファイルを削除し、エラーが起きる前に入力したコ マンド (通常は make)を再度実行します。 あなたが使っているウィンドウマネージャが WindowMaker の場合、ファイル を右ボタンクリックして "Properties" を選択しても動作しません。私のマシ ンで "Properties" をクリックしたら Linux Explorer が完全にフリーズしま したが他のウィンドウマネージャを使っている時は、 Properties のダイアロ グボックスはちゃんとポップアップします。 【訳注】Qt のところに書いたのと同じことですが Segmentation fault にな る場合は、以下のようなスクリプトを試してみて下さい。 #! /bin/sh export XMODIFIERS="" exec /usr/local/bin/xplorer $* これを例えば xplo というファイル名でセーブし、 $ chmod 755 xplo で実行可能にしてから、 $ xplo で起動します。 【訳注終り】 【訳注】ウィンドウマネージャ fvwm95, qvwm の設定 先ず、/usr/local/xplorer-0.74/icons/misc/ の mini-expl.xpm と explorer.xpm を /usr/X11R6/include/X11/pixmaps/ にコピーします。 fvwm95 の場合は /.fvwm2rc95 ファイルの Style エントリを下記の例のよう に設定します。 Style "explorer" Icon mini-expl.xpm スタートメニューにエントリを追加することもできます。 + "explorer %mini-expl.xpm%" Exec /usr/local/bin/xplorer & qvwm の場合は /.qvwmrc ファイルの [StartMenu] セクションの "プログラ ム" の中に "Explorer" "mini-expl.xpm" "xplorer" という行を追加します。デスクトップにショートカットを置くには [ Short- cuts] セクションに下記の行を追加します。 "エクスプローラ" "explorer.xpm" "xplorer" 私は最初 qt-1.33, ld.so-1.9.7, xplorer-0.74 と fvwm95 という組合せで qt および xplorer が動作することを確認し、次に qvwm-1.0b9j で試してみ ました。 qvwm 上では qt 単体は動作するが xplorer は起動できずデスク トップのアイコンが2〜3秒間、全て消えて kterm のウィンドウだけが表示 され、その後また元通りの画面に戻るが、Explorer のウィンドウは表示され ないという現象が起きました。 qvwm の作者の光来さんに問い合わせたところ (1) 上記のように画面がフラッシュする現象は、qvwm が落ちた後、自動的に リスタートしているのだと思う。 (2) 以前、Linux Explorer が起動しないという報告があり、その時は [Applications] セクションで LARGEPIX と SMALLPIX を指定することで起動 するようになった。 (3) qvwm のバージョンを上げたらどうか。 というアドバイスを頂きました。(2)は試したけど効果無く、qvwm-1.0b10a に バージョンアップしたところ起動できるようになりました。 なお起動するプログラム名は、上記の例では全て "xplorer" となっています が専用のスクリプトを作成した場合は、その名前にして下さい。 【訳注終り】 ------------------------------------------------------------------------ 質問、コメント、提案、訂正があれば joshuago@usa.net まで Eメールを下さい。 ------------------------------------------------------------------------ Copyright(C) 1997-1998 Joshua Go (joshuago@usa.net). All rights reserved. このドキュメントの使用、配布、コピーの許可は、これを認めま す。私の名前がクレジットされる限りにおいては、この文書を修正しても結構 です。 ------------------------------------------------------------------------ 翻訳に際し、菱川 < ike@hishikawa.f.uunet.de >さんと中野@asahi-net さんからアドバイスを頂きました。ありがとう ございます。