StarOffice for Linux mini-Howto Matthew Borowski (mkb@poboxes.com ) ( http://www.jnpcs.com/mkb/linux ) Version 0.9, January 14, 1998 中島 ひろし , nksmhrs@anet.ne.jp hiro- naka@ari.bekkoame.or.jp March 19, 1998 この文章は、StarDivision 社の StarOffice オフィススイートのインストー ルについて解説します。 ______________________________________________________________________ 目次 1. 概要 1.1 Motif 情報 1.2 この文章の履歴 1.3 翻訳版の履歴 2. StarOffice スイートの入手 3. StarOfficeのインストール 3.1 Libc 関連と修正 3.2 tarファイルのインストール 3.3 セットアップと設定 3.4 COL (Caldera OpenLinux) セットアップ バグ 3.5 LANG 環境変数不具合の修正 4. StarOffice の起動 5. StarOffice Tips 6. さらに情報を得るには 7. 貢献 8. 免責事項と著作権 ______________________________________________________________________ 1. 概要 StarOffice Office Suite は、Linuxのためのオフィスツールコレクションで す。 StarOfficeには次のものが含まれています: o StarWriter, ワープロ o StarCalc, 表計算 o StarImage, 画像処理用エディタ o StarDraw, Corel DRAWに似たドローソフト o StarChart, グラフ作成ソフト o StarMath, 数式作成ソフト Linux 用 StarOffice は、非商用使用に限りフリーです。商用利用にはライセ ンスが必要です。Caldera OpenLinux を除いた(StarOffice単体での)商用ライ センス料金は、まだ正式には決まっていません。 1.1. Motif 情報 StarOfficeは、商用 Motif 2.0 GUI toolkit で作られています。したがっ て、 Motif 1.2/LessTif ではダイナミックリンク版は動作しません。 スタティック版 ( Motif 2.0に静的リンク)は Motif を持っているいないに関 わらず動作しますが、パフォーマンスは大幅に落ちます。 私は、Pentium 100 MHz/48M RAM、RedHat 4.1 + Motif2.0 のシステム上で StarOffice を走らせています。ダイナミックリンク版では、ロードするのに1 分ほどかかりますが、一旦立ちあげた後はスタティック版よりずっと少ないリ ソースで済みます。 History of this document 1.2. この文章の履歴 o Version 0.8 971109 - Tips、libcアップグレードせずにインストールする 方法など追加 o Version 0.7 970707 - 3.1.1の項を変更, ライセンス変更 o Version 0.6 970609 - LANG変数の問題の修正を追加 o Version 0.5 970608 - StarOffice 3.1 final の情報を更新 o Version 0.1 970505 - 最初のリリース 1.3. 翻訳版の履歴 o 980319 - Version 0.9に対応、それに伴いSGML形式に o 971015 - 最初の翻訳版、Version 0.7に対応 2. StarOffice スイートの入手 Linux 版 StarOffice の正式リリースは 3.1 final です。このリリースは、 ftp://ftp.gwdg.de/pub/linux/staroffice にて FTP で利用できます。 README.StarOffice ファイルには、StarOffice 3.1 final のダウンロードに ついての情報が含まれています。次の3つのファイルをダウンロードする必要 があります : o StarOffice31-english.tar.gz (英語版)テンプレート/デモ、文章 o StarOffice31-german.tar.gz (ドイツ版)テンプレート/デモ、文章 o StarOffice31-dynbin.tar.tgz (動的なリンク版) または、 o StarOffice31-statbin.tar.gz (静的なリンク版)のバイナリ o StarOffice31-common.tar.gz Caldera 社からも StarOffice を得ることができます。これについての詳細は http://www.caldera.com を見て下さい。さらに、Caldera 社はStarOffice の CD-ROM を $7.99 US で 売っています。 3. StarOffice のインストール StarOffice のインストールは次のものからなっています。: o root になって /usr/local上にファイルを展開します o 一般ユーザーとなってセットアッププログラムを走らせます o .sd.sh もしくは .sd.csh を source します o 3.5 章を(忘れずに)読むこと! 3.1. Libc 関連と修正 StarOffice は、libc 5.4.4 以上を使用します。 StarOffice 3.1 は、Libc 5.3.xでも動作はするでしょう。しかし残念ながら セットアッププログラムは 5.4.4 以上を要求します。もし libc 5.3.xである なら、セットアップスクリプトを実行する前に libc5.4.4+ のコピーを持って きて LD_LIBRARY_PATH 環境変数に加えることでうまくいくかもしれません。 ただし、私はこれを試してないので自分自身の責任で行なって下さい。 もし libc 5.4.4 以下の libc でセットアップスクリプトを実行すると、次の ようなエラーメッセージが出るでしょう: line 1: Syntax error at token 'I' expected declarator; i.e. File ... libcをアップグレードするには、sunsite.unc.eduにFTPし、/pub/Linux/GCCに libc-5.4.33.bin.tar.gz(もしくはその最新版)ファイルを探します。一時保管 場所にてこのファイルを伸長します。するとそこに新しい lib/ ディレクトリ ーが作られているでしょう。次に Su で root になって、/lib に libc.so.5.4.33 をコピーします。そして、libc.so.5 から libc.5.4.33 にシ ンボリックリンクを張ります。: ln -sf /lib/libc.so.5.4.33 /lib/libc.so.5 それから ldconfigコマンドを実行します。 Dr. Romano Giannettiさん(romano@iet.unipi.it )は、次のように言っていま す: ...私は、アップグレードせずにlibc5.3を使っている Red Hat 4.2 のシステム上で(あなたが行なったように)StarWriterをインストー ルすることができたことを付け加えておきたい。 正しい手順は: 1. libc.so.5.4.xを手にいれる。あなたが RedHat の rpmパッケー ジ(contrib ディレクトリーで見つかりますが)を持っているなら、 空のディレクトリーにライブラリーを展開し次のことを行ないま す: rpm2cpio libc.so.5.4.x-y.rpm | cpio --extract --make- directories ライブラリーは、./libサブディレクトリー内にあることでしょ う。 2. ホームディレクトリーにlibc.so.5.4.xを移動。それから(sh系 統のシェルでは): ln -s libc.so.5.4.x libc.so.5 export LD_LIBRARY_PATH=$HOME:/lib:/usr/lib 3. これでセットアップの準備ができました。 3.2. tarファイルのインストール StarOffice ダウンロード後に、su するか rootで login して /usr/local に 書庫ファイルを移し、/usr/local でファイルを伸長します。gzip + tar ファ イルを解凍するためには次のように行ないます: tar -xzvf filename.tar 古いシステムではファイルを unzip するのに、 " gzip -d " を使う必要があ るかも知れません。その場合には、untar に tar -xvf を行ないます。 新しく作成された /usr/local/StarOffice-3.1 内にファイルが収められてい ます。 3.3. セットアップと設定 root となって StarOffice ファイルを伸長した後、user になってログインし 直す必要があります。/usr/local/StarOffice-3.1 に移って、setup を実行し ます。このプログラムは各ユーザーに必要な非共有ファイルやシンボリックを インストールします。" standard installation "が推奨されています。もし デフォルトのインストールするパスを変えてしまうと、何らかの問題が起こ る*可能性*があります。 StarOffice は、環境変数を使用します。.sd.sh( Bource シェル用) 又は .sd.csh( C シェル用)は StarOffice 用の環境変数設定ファイルです。これら のファイルをホームディレクトリーに置きます。 bash の場合は、.bashrc に次の一行を加えます: source /.sd.sh その後、環境変数を有効にするために bash を再スタートします。 他のシェルを使っているなら、ファイルを souce するための情報を man で調 べて下さい。 3.4. COL (Caldera OpenLinux) セットアップ バグ Phil Reardonさん (pcr@busprod.com )によるバグレポート: " 私は Caldera COL スタンダードリリースで起こった StarOffice 用のセットアップスクリプトにバグがあるのを見つけました。./ となる所が // となっていました。それを訂正するために次の行か ら最初のスラッシュを除いてください: exec ${pfad:='.'}/linux-x86/bin/$name;; linux-x86 の前の / はいりません。" 3.5. LANG 環境変数不具合の修正 .sd.sh や .sd.csh files は LANG 変数をセットしています。これは perl や man で問題を起こします。manのエラーメッセージでは、 "Failed to open the message catalog man on the path NLSPATH=" とでるし、Perlでは、 " warning: setlocale(LC_CTYPE, "")..." と、エラーがでます。 .sd.sh ファイルは、LANG=us や別の LANG を含んだ環境変数を export する 所を定義している行を含んでいます。したがって、それらのファイルから LANG=us を取り除いたり、変数リストから LANG を取り除くことで解決しま す。 .sd.csh ファイル ( C シェルの場合 )では、" setenv LANG us "を書いてあ る行を消す必要があります。 この修正についての情報を提供してくれたAdam L. Kleinさん (alklein@adelphia.net) に感謝します。 4. StarOffice の起動 StarOffice バイナリは次の場所に格納してあります: /usr/local/StarOffice-3.1/linux-x86/bin/ アプリケーション:sdraw3, swriter3, scalc3, smath3, schart3, simage3 svdaemonはオンラインヘルプを使う時に実行されます。 svportmapは、StarWriter、 StarCalc、 StarDraw 間 のアプリケーション通 信を可能にするために使われます。 5. StarOffice Tips Patrick D'Cruzeさん (pdcruze@netpal.com.au)による寄稿 1. .bash_profile内で .sd.sh(又は .sd.csh)をsouceする代わりに、.sd.shス クリプトをコピーし、swriterと名称を変更し、/usr/local/binにコピーす る。それから、スクリプトの最初の行に: #! /bin/bash 最後の行に: exec swriter3 $* を追加します。さあ、これで後は swriterと実行させるだけで、自動的に適切 な環境変数をセットアップしてくれて、StarWriterを立ち上げることができま す。それらの環境変数をセーブする方法だと他のアプリケーションの環境を変 えてしまうことになってしまいます。 2. 私は、多くの人達が StarOffice がロードするのにほんとに時間がかかっ ていること(60秒以上)に気がつきました。Usenetでの意見で、この時間の大部 分がダイナミックリンカーが行なっているシンボルの再ロケーション、すなわ ち、新しいシンボル各々につきダイナミックリンカーが適切なライブラリーを 定めなければならない、ということによるものだったのです。StarOfficeは たったわずかなライブラリーを動的にリンクしているだけで、ダイナミックリ ンカーは、多くのライブラリーを検索する時間にわずかしかかかけていませ ん。 これを解決する方法はあります。私は、chrootされたJail内で StarOfficeを 実行しています。Jail内には、StarOfficeが使う(/usr/X11R6/lib, libc/libm, libg++/libstdc++以外の)バイナリやライブラリーを置いていま す。 StarWriterは、私の P133/32MBのマシンではおよそ15秒ほどで立ち上 がります。これは、ライブラリーが StarOfficeに必要なものだけであり、そ れ故にダイナミックリンカーがシステム上に全てのライブラリーを検索する時 間が比例して少なくなった(すなわち、シンボルを解決するために探している /usr/lib内などのlib以外の全てを検索しないため)ということです。 6. さらに情報を得るには Linux 版 StarOffice の詳しい情報は StarDivision 社から直接利用できま す。 StarDivision 社は、WEBサイト http://www.stardivision.comを管理し て います。 StarDivision 社は、Linux 版 StarOffice に関連したサポートやユーザーグ ループを持った新たなサーバーを走らせています。これらのニュースグループ は StarOfficeの最新情報を探したり、質問をしたりするのに最適な場所で す。ニュースリーダーでnews://starnews.stardivision.com に接続したり、 StarDivision 社の ホームページからリンクしている the support を訪れて 下さい。 7. 貢献 この文章をSGML形式に変換してくれた Werner Klausさん(wklaus@metronet.de )に感謝します。 この mini-HOWTO に関してさらなる情報を提供してくれるなら,私に電子メー ルで連絡を下さい。私のアドレスはこの文章の最初に書いてあります。また私 のホームページにも是非訪れて下さい。http://mkb.home.ml.org/linux/ 又 はhttp://www.gslink.com/~mkb/linux/です この文章の翻訳にあたり、JFのメンバーの方々に貴重なアドバイスを戴いたこ とに感謝します。 8. 免責事項と著作権 この文章は、Matthew Borowski によるものです。(C) 1997 電子的メディア内でのこの文章の再配布は、改変しない限りで許可されます。 この文章を CD-ROM や書籍に含めたいのであれば予め私の許可を得て下さい。 (なるべく電子メールでお願いします) 著者は、この文章によって使用上直接あるいは間接的に起こった如何なる責任 も負いません。著者は StarDivision、GmbH、Caldera 社の従業員ではありま せん。 コメントや質問は著者の mkb@poboxes.comまで直接送ってください。