Linux 情報メモ(Japanese INFO-SHEET) Y. Hiro Yamazaki and Michael K. Johnson 1995年11月7日版 この文書は、Linux という OS に興味があるという人向けにその概要を解説し たものです。Michael K. Johnsonさんの「Linux INFO-SHEET」 という文書をもとに山 崎康宏が、単なる翻訳でない「ホットな日本版」として作成し、1993年9月以 来、月に1度程度のペースで更新してきたものです。1995年になってからは不 定期に更新しています。INFO-SHEETにある情報は独断で修正したものを除くと 全て含まれるようにしています。この版では、INFO-SHEET version 4.0 (Nov. 12 1994)を元にして、NetNews や Webサイトでのアナウンス、メー リングリストでのやりとり、最新カーネルの付属文書やソースコード中のコメ ント、カナダのトロント大学書籍購買部(新しいCD-ROMなども豊富で、Linux のデモもやっている)の情報なども参考に新しい情報を採り入れています。 注意: この文書はかなり以前に書かれたものなので、いまどきの Linux 環境 にはあてはまらない箇所があります。 (JF Project) ______________________________________________________________________ 目次 1. Linux の紹介 1.1 Linux の特徴 2. ハードウェア 2.1 「最小」構成 2.2 使える構成 2.3 サポートされているハードウェア 3. 移植済みソフトの一部 4. 誰が Linux を使っているか? 5. 入手方法 5.1 案内 5.2 Anonymous FTP 5.2.1 海外のftpサイト 5.2.2 tsx-11のミラー 5.2.3 sunsiteのミラー 5.2.4 Slackwareのftpによる入手 5.2.5 JEのftpによる入手 5.2.6 機種別版のftpによる入手 5.3 その他の入手法 6. 使ってみる 6.1 パッケージ 6.2 日本語拡張キット(JE) 6.3 関連文書 6.3.1 HOWTO文書群 6.3.2 JFプロジェクト 7. Linux のライセンス 8. Linux の情報入手 8.1 フリーの文書 8.2 ニュースグループ 8.3 メーリングリスト 8.4 Webサイト 8.5 雑誌その他 9. Linux 関連質問 10. 将来計画 11. この文書 12. 注意 ______________________________________________________________________ 1. Linux の紹介 Linux(りぬくす)は POSIX 仕様の OSで、SYS V や BSD の拡張機能も持った完 全に「フリー」なものです (つまり、UNIX 互換の OS なのですが、AT &T な どのコードは一切使っていないということです)。ソースコードでもコンパイ ル済みのバイナリーでも配布されています。 Linux は パブリックドメインソフト(PDS)でもシェアウェアでもありませ ん。Linuxは Linus B. Torvalds(torvalds@kruuna.helsinki.fi)さんなどが、 いわゆるコピーレフト(copyleft)した物で著作権は放棄されていません。しか し、Gnu General Public License (GPL)の元に、自由な再配布を認められてい ます。ただし、再配布の際はソースコードを付けるか、入手できるように用意 するかする必要があります。また、Linuxを修正したものを再配布する場合 は、変更部分のソースコードも配布する必要があります。詳しくは、GPLを御 覧ください。例えば、ftp で入手するなら、 COPYING が最新でしょう。 ちなみに、バージョン1.0 が出たからと言って、Linux がフリーでなくなるわ けではありません。そもそも、Linux は GPL に従っているので、フリーでな くすることは違法行為になるでしょう。ただし、Linux を販売して利益をあげ る事は問題ありません。その場合には、前述の通り、ソースコードの入手を保 証する必要があるだけです。 Linux は、いわゆる IBM PC/AT 互換機のうち、CPU が 386や 486や Pentium で、ISAバス・EISAバス・VESAローカルバス・PCIバスのもので動作します。ま た、PCMCIAのサポートも進んでおり、多くのカードの動作中の抜き差しにも対 応しています。なお、IBM 独自の MCAバスはほぼ使えないと考えてください。 日本のパソコンでは、東芝のダイナブックで動作するのはもちろん、富士通 のFM-TOWNSへもX-windowを含めて移植されており、熱心に更新されています。 なお、NECのPC98 シリーズ用も試験公開されていますが一部機種でしか動作し ない状態で事実上開発が止まっています。 元もとのLinuxカーネルは386 のメモリー管理やタスク制御機能に強く依存し ていたので、他のアーキテクチャのコンピュータに移植するのは容易ではない と言われていました。しかし、カーネルも一般的なものになって来ており、移 植が容易になってきました。実際、CPUに 680x0を使ったAmiga や Atariには 移植されて、安定に動作しているそうです。また、DEC の Alpha・ IBM/Motorola/Appleの PowerPCチップを使った PowerPC/PowerMac・MIPSのRシ リーズ・SunのSparc4c などの RISC チップを使った計算機への移植作業も進 んでいます。移植をやってみようと思うのなら思い切ってやってみましょう。 きっと仲間が見つかるでしょう。 Linux は、1994年3月14日にバージョン1.0が公開され、一応テスト段階を終っ たと考えられています。しかし、恐らく不具合も残っているでしょうし、開発 途中の版を含めて最新版を常に公開しているため、新たなバグが入り込む可能 性は大いにあります。しかし、どの版が安定していて、どれが新しい試みを多 く含んでいるのかが分かりやすいようにと、カーネルが2つに分かれて開発さ れるようになりました。バージョン番号の2つ目、例えば、1.0.9 のうちの 「0」の部分が偶数のものは安定性重視で、更新のたびごとに3つ目の部分(こ の例では9) が増えるのですが、新機能を追加をせずに不具合の修正のみをし てゆくことになります。また、2つめの部分が奇数のものは、開発者向けのβ 版で、どんどんと新機能の追加や速度の改良を行ってゆきます。 とくに安定したバージョンが欲しいのなら、多くのテストが行われた安定重視 の偶数バージョンを使うか、公開後数週間して評判の良いものを使うのがよい でしょう。ほとんどのバージョンは、開発者用に公開されたものを含めてとて も安定していますので、特に「最新版」が欲しいのでなければ、そのまま長く 使ってゆけるでしょう。例えば、 version 0.97 patchlevel 1 という92年の 夏に出たものを136日以上の間全く問題無く使っていたところもあるそうで す(操作ミスが無ければ、もっと続いていただろうと言われています)。最近 のものは、一般に、より安定していますので、数ヵ月の連続運用をしている例 は珍しくありません。 注目していただきたいのは、Linux は、新版をどんどん配布して公のもとで磨 かれて来たものであり、他の多くのソフトウェアのように、こっそりと限られ た人の中で開発されたもので無いという点です。具体的には、開発者向けの最 新版が、常に(1・2週間の内に)公開されていて、誰もが使えるということで す。それゆえ、大抵、何らかのバグが潜んでいるのですが、それに対する対策 が極めて迅速になされ、開発の速度は極めて速いのです。実際、世界中で多く の人が試すので、問題点を見つけ出して修正する作業が、ソフトの公開後数時 間以内に済んでしまうことが多いという程です。特にデータにダメージを与え るような不具合は、たいてい、カーネルの公開から数時間の内に解決されるの で、普通のユーザーが問題のあるものの使用を避けるのは容易でしょう。公式 に公開されるものは、開発者向けに予備公開されてから数日たったものです。 これに対し、限られた人々で開発されたような閉じたものは、開発者たちがこ れで大丈夫だと判断した場合に限って公開されます。こうすると公開の間隔が 長くなり、不具合の修正に時間がかかることになります。もちろん、公開され ているものの品質はある程度保証されるでしょうが、開発の速度が非常に遅く なってしまうのです。 1995年11月7日現在、安定シリーズの最新版は linux 1.2.13 (Aug.2) で、先進シリーズの最新版は linux 1.3.38 (Nov. 7)です。 1.1. Linux の特徴 o マルチタスク:複数のプログラムが同時に実行できる。 o マルチユーザー:複数の使用者が、一つのコンピュータを同時に使用でき る。(2人までなどという使用上の制限はありません。) o 386 のプロテクトモードで動作する。 o プロセス間でメモリーを保護し、一つのプログラムがシステム全体をダウ ンさせるようなことが無い。 o 実行に必要な部分のみを必要に応じてディスクから読み、メモリーにロー ドする。 o 実行形式の一部をメモリー上で共有し、書き込み時にコピー:これは、複 数のプロセスがメモリー上の同じ部分を共有しながら実行され、書き込み が必要な場合にのみそのページ(4kb分のメモリー) がコピーされて別々に なるということです。これには、実行速度を向上させてメモリーを節約す るという、2つの利点があります。 o ディスクへのページング(全プロセスのスワップではない)による仮想メモ リー:ファイルシステム上のスワップ専用(一応スワップと読んでいます) パーティションかファイルか(両方でもいい)に、ページングします。これ は、運用中に変更できます。最近のカーネルでは、最大で、16 個の 128MB の領域、合計 2GBのスワップ領域が使えます。 o ディスクキャッシュとしても使われる空きメモリー:空きメモリーは、 ディスクキャッシュとしても使われ、大きなメモリーが必要な場合は、自 動的にディスク・キャッシュが減少してプログラムに使われます。 o 実行時にリンクされるDLL(動的リンク共有ライブラリー)がある。これによ り、実行形式が小さくなります。もちろん、コンパイル時にリンクする静 的なリンクもできます。 o デバッグ用にコアダンプをとれる:プログラム実行中でも実行後でもデ バッガを使ったデバッグができます。 o ほぼ、POSIX・SYSTEM V・BSD と、ソースレベルで互換性がある。 o iBCS2 準拠パッケージを使う事により、SCO UNIX・SVR3・SVR4と、バイナ リーでほぼ互換性がある。 o 全てのソースコードが公開されている:カーネルや、各種のドライバ・開 発ツール・ユーザープログラムなど全てあり、自由に再配布ができる。最 近はソースコード無しの市販プログラムも出始めていますが、これまでフ リーだったものはフリーのままです。 o POSIX 準拠のジョブ制御。 o 仮想ターミナル(pty)がある。 o 387 エミュレーターがカーネル内にある:Linux を使っている全てのコン ピューターは、あえてこの機能を削除しないかぎり、数値演算プロセッサ を必要とする計算を実行できます。もちろん、数値演算プロセッサをハー ドウェアで持っている場合はエミュレーターを使いませんし、エミュレー ター無しのカーネルを作ることも出来ます。 o 様々な国の言葉や特別な仕様のキーボードにも対応しており、新しく追加 するのも簡単。ソフトウェアによるキーの入れ換えも容易です。 o 複数の仮想コンソールがある:特殊な機器を使わずにコンソールで複数の 独立なログインができます。切替えは、例えば101キーボードなら左ALT キーを押しながら仮想画面番号に対応する番号のファンクションキーを押 して切り替えます。ページの逆送り(Shift+PgUp)やマウスを使った切り貼 りなども出来ます。最近のLinuxでは最大64個の仮想画面が使えます。 o minix-1 や Xenix ・ System V のファイルシステムをサポートし、独自に は、最大 4TB でファイル名が 255 文字までのファイルシステムがある。 o MS-DOS (または、OS/2 FAT) のパーティションに、特別なコマンドを使わ ず自由にアクセスできる。ファイル名や属性に制限のあるだけで、UNIX ファイルシステムと変わらずに扱えます。ただし、MS DOS ver.6 の圧縮 パーティションは、DOS エミュレーターを介してのみ使えます。 o UMSDOSという特別なファイルシステムを使うことで、MSDOS ファイルシス テム上で linux を使うことも出来る。 o OS/2 2.1 の HPFS のファイルも直接マウントして「読め」ます。 o CD-ROM ファイルシステムをサポートし、全ての標準的なフォーマット のCD-ROM を読める。 o TCP/IP ネットワークのサポート:ftp・telnet・rlogin・rcp・NFS・ DNS・NIS 等用意されています。TCP/IP以外にも、SLIP・PPP・PLIP (パラ レル線IP)もサポート。 o NetwareのIPXプロトコルをサポートしている。 o 素人にやさしい巨大なボランティア集団に支えられている。 o 様々な関連ソフトを集めたパッケージや日本語拡張キット(JE)(``日本語拡 張キット''節参照) や JFプロジェクト(``JFプロジェクト''節参照)による 日本語文書群、日本産ゲームセット(JG)が用意されている。ノートPC用 やFM-TOWNS専用パッケージもあります。 2. ハードウェア 2.1. 「最小」構成 必要最小構成は、たぶん、386SX/16MHz, 2MB RAM, 1.44/1.2MB フロッピー、 グラフィクスボード(この他、もちろん、キーボード・ディスプレイなど)で す。これで、起動して動作するかどうかを確認できるでしょうが、実用的な 「仕事」は何もできないでしょう。 何か「仕事」をさせるためには、最小構成(重要なコマンドと通信ソフトなど の多少のアプリケーション)を考えて、5〜10MBのハードディスクがあればいい でしょう。しかし、これでも、できることは『かなり』限られていますし、快 適とは言えないでしょう。このような構成は、お奨めできません。 2.2. 使える構成 計算資源を使うようなプログラムを使う場合には、もっと速いCPUが欲しくな るでしょう。例えば、gcc・X・TeX を使う場合です。ただし、忍耐強い人な ら、遅い CPU でも我慢できるでしょう。 実用的な必要メモリー量は、X-windowを使わないなら 4MB、使うなら 8MB で しょう。マルチユーザーで使ったり、大きなプログラム(コンパイラなど)を いくつか同時に使うなら、それ以上のメモリーが欲しくなるでしょう。それ以 下のメモリーでも(たとえ2Mでも)ハードディスクを仮想メモリーとして使 い、動作させることはできますが、遅すぎて実用的でないでしょう。 必要なハードディスクは、普通のユニックスユーティリティー類・シェル・管 理ソフトだけなら、10MBあればユーザー領域も少しだけとれるでしょう。しか し、もう少し整った実用的システムが欲しいなら、Slackware・MCC・ TAMU・( バージョン1が期待されている)Debian・Linux/PRO のいずれかを入手してみ てください。これらの場合、何を入れるによって、60MB から 200MB のディス クが必要になります。これにユーザー用の領域を足したものが、実際に必要な ディスク量です。最近の値段を考えると、あまり小さいのを買うのもどうかと 思います。最低でも 200MB 以上のハードディスクを買ってみてください。決 して後悔しないでしょう。 あとは、「何を望むか・予算はあるか」に応じて、メモリー・ディスク・速 いCPUを選べばよいでしょう。 わたし(山崎)が個人的に奨めるのは、ノートPCなどで X-windowを使わないな ら、「386 +4M RAM +80 HDD +VGA」以上です。最近のサブノートでも、こ の条件をクリアできるでしょう。なお、レジューム機能は使えるものと使えな いものがありますので、購入前に確かめたほうが良いと思います。この構成で も複数の仮想コンソールで漢字も使え、文書処理用の TeXの表示や、印刷用に 広く使われているポストスクリプト言語で記述された図や文書、各種形式の画 像ファイルの表示もできます。さらに、グラフを書くのに便利な gnuplotも使 えます。据え置き型のPCなら、 X-windowを使うことを考え、「数値演算コプ ロセッサ付きCPU +8M RAM +200M HDD +速いラフィクスボード(S3 など)」 以上でしょう。マウスはMouse Systems 互換の3ボタンマウスがお奨めです。 なお、ノートブック型PCでX-window を動作させるにもこの程度の RAM や HDD がある事が望ましです。その場合、マウスの代わりになるトラックボールや棒 状のポインティングデバイス、感圧パッドなどが付いているとたいへん便利で す。 さらに、最近の価格動向を見ると、携帯型では「SL Enhanced 486 +8MB RAM +200MB HDD」、据え置き型なら「 Pentium +720MB HDD +17"ディスプレイ +16M RAM +S3の64ビットチップを使ったグラフィクスボード」あたりを狙う のがよいかと思います。前者なら手軽に運べる UNIX 互換環境が、後者な ら、30〜40万円程度の投資で100〜200万円程度の売れ筋ワークステーションに 負けない性能が期待できます。サブノートのメモリーを16MBやそれ以上にし て、「コーヒーショップでX」もオツなものです。 なお、メモリーを増やすことは高速化に大きく貢献します。ハードディスクを 使った仮想メモリーは遅いですし、メモリーの余った分は、必要になるまで、 ディスクキャッシュとして活用されます。とくに、ノートブック型などの場合 はハードディスクへのアクセスが減るために節電にも効果的です。MS-DOSなど とは違いメモリーは有効利用されますのでなるべく多く用意しましょう。 2.3. サポートされているハードウェア 以下に、サポートされているハードウェアを挙げます。このリストは、概況を 知ってもらうためのもので全てを網羅しているわけではありません。な お、Amiga や FM-TOWNS 版の情報などはほとんど含まれていません。また、 ハードウェアに関する詳しい情報は、JFプロジェクト JFプロジェクト(``JFプ ロジェクト''節参照)で翻訳された Hardware Compatibility HOWTOなど のHOWTO シリーズの文書群 (``HOWTO 文書群''節参照)を御覧ください。 CPU 386 のプロテクトモード用プログラムを実行できるもの。全ての386, 486, Pentium はこの条件を満たしていますが、286はだめです。 286 には今後も対応しないでしょう。この他に、Amiga/Atari の 680x0 で も 動作しています。68020+MMU・68030・68040が使えます。 更に、 ALPHA/AXPでは利用者環境のテストがはじまり、PowerPCやMIPSなどでも 開発環境が動作し始めたようですが、移植作業の段階と言えるでしょ う。 バス ISAやEISAはもちろん、VLバスや PCIバスなどでも問題ありません。 PCIの自動設定(Plug and Play)への対応もかなり進んでいます。PS55の 一部などで使われているMCA でも動くのですが、使えるディスクコント ローラなどが限られています。PCI関連の情報をまとめた文書として は、 PCI-HOWTO があります。 PCMCIA 関連は、Ethernet・モデ ム・SCSIコントローラ・メモリーカードの幾つかが動作確認されていま す。PCMCIAカードの差し替え時にカードを自動認識して初期化す るpcmcia-csドライバがPCMCIAボードを動作させるためのモジュールと ともに配布されています。 cb-iris.stanford.edu の pub/pcmcia か、国内の、 nuis.nuie.nagoya-u.ac.jp の /Linux/pcmcia/ に置いてありま す。tsx-11などにも置かれ始めたようです。サブノート用のTP230キッ ト(``機種別版のftpによる入手''節参照)には関連ソフトもまとめられ ています。くわしくは、PCMCIA-HOWTOを御覧ください。 RAM 1GBまで対応しているはずですが、たぶんテストはされていません。万 一、メモリー増設で遅くなった場合には、キャッシュの問題でしょう。 マザーボードの説明を読んで、RAM全体がキャッシュさるように設定 し、それでもだめな らキャッシュを最大限まで増設してみましょう。 なお、 64MBを越えるメモリーを使う場合には、Linux起動時にパラメー タを渡す必要があります。これは、PC の BIOS の仕様による制限で す。 ディスク・テープ 一般的なAT用のドライブ(16bit IDE, MFM, RLL)は、サポートされてい ます。XT用の8bitコントローラー(MFM, RLL)もOKです。Enhanced IDE (E-IDE)のハードディスクやCD-ROMなどは、最近のカーネルを使う必要 があります。540MBなどの大きなIDE HDD(E-IDEでないもの)はカーネル にLILOなどでパラメータを渡せば全体が使えます。 これらに加え、下記のSCSIコントローラーにつないだハードディスク・ CD-ROM・テープドライブ・HPやSankyoのスキャナがサポートされていま す: Adaptec 1542/ 152x/ 1740 /拡張モード(1542互換モードではな い)2742/ 2842・BusLogic (ISA/ VL/ EISA/ MCA/ PCIの各種製品に対 応するはずで、455S/ 747S/ 946C/ 956Cでテスト済み)・QLogic (ISA/ VL/ PCMCIA) ・Seagate ST-01/ ST-02・Future Domain TMC-88x シリー ズなどの TMC950 チップを使ったもの/ TMC1660, 1680, 1650, 1670,TMC3260/ 7000FASST・ Ultrastor 14F/ 24F/ 34F・Western Digital wd7000 ・NCR 5380 や 53c7xx/8xxチップのもの・Pro Audio Spectrum/ Studio 16・Trantor T128/ T128F/ T228 ・DPT PM2011B, 2021A(以上ISA)/ PM2012A, 2012B, 2022A, 2122A, 2322A(以上EISA)/ PM2024, 2124 (以上PCI) が標準カーネルでサポートされています。ま た、Adaptec互換機種ではBusLogicのコントローラやDTCの3292(3270は ダメ)も動作確認されています。 これらに加えて、日本では SPC 用ド ライバーが書かれていますし、これをつかうとダイナブック用の Dynamic SCSI も動作するそうです。また、パラレルポートに専用の ケーブルで SCSI機器をつなぐだけの EasyHard もあります。詳しく はSCSI-HOWTOを御覧ください。 IDE・E-IDE・SCSI 以外にも以下の専用インターフェースの機器が動作 します。先ずはCD-ROM。SoundBlaster / 松下 ことぶき/ Panasonic(こ れらは PhotoCDも使え、4枚のコントローラで最高16台接続 可)・Mitsumi (PhotoCD は試験中)・Sony CDU31A, 33A (PhotoCDもOK)/ CDU-535,531・ Philips / LMS・Aztech CD-ROM CDA268-01A, ORCHID CD-3110, OKANO/ WEARNES CDD110。また、QIC-02・QIC-117ドライバー もあります。QIC-80テープを使うドライバーも現在テスト段階ですが動 いています。以上、CDROM-HOWTOなどを御覧ください。 グラフィクスボード まず、フリーソフトのみを使う場合の話をします。テキストモードでサ ポートされているのは VGA, EGA, CGA, と Hercules (互換品を含む)で す。グラフィクスや X-window は、VGA, Super VGA( ET3000/4000, Paradise, Trident, ATI, S3, Chips&Technology, Cirrus, Compaq AVGA, WD, Genoa, AGX, OAK, Advance Loic, MX, Video7), 8514/A, P9000, Herculesです。このうち、高速描画支援機能を持ったアクセラ レータをサポートしているのは、S3(911, 911A, 924, 801, 805, 805i, 928, 864, 964, Trio64, Trio32, 868, 968)と、IBM 8514/A (ATI などの互換ボードを含む) ・ATI (Mach8, Mach32, Mach64)・ Cirrus( 5420, 5422, 5424, 5426,5428, 5429, 5430, 5434, 6205, 6215, 6225, 6235)・Western Degital(90C24, 90C24A, 90C31, 90C33)・IIT ( AGX-014, 015,016)・Tseng (ET4000/W32, W32i, W32p)・Weitek (P9000) ・Oak (OTI-087)です。なお、X-window には、 基本的に XFree86 というPC UNIX 汎用の フリーのシステムを使っています。最新の全体版は、8月はじめに公開 された XFree86-3.1.2 です。S3/868,968 やATI/Mach64のアクセラレータ、最近のノートPCでよく使われてい るChips&Technologyのチップなどにも対応しています。 別の選択肢もあります。Metro Link Inc.からは「Metro-X」が、X Inside Inc.からは「Accelerated-X」が、それぞれ Linux用にも発売さ れています。どちらも、S3の864 / 964やATIの Mach64 はもちろ んXFree86ではサポートされていない Matrox社のボードや Number9の Imagine128まで含んだ最新のボードに幅広く対応しています。連絡先 は、 Metro-link Inc.: Tel: +1(305)938-0283 FAX: +1(305)938-1982 Email: sales@metrolink.com Mail: 4711 Notth Powerline Road, FOrtLauderdale, FL 33309, USA X Inside Inc.: Tel: +1(416)762-3778 FAX: +1(303)470-5513 Email: sales@xinside.com info@xinside.com FTP: ftp.xinside.com (199.120.247.2) Mail: 7900 E Union Ave, Suite 1100, Denver, CO 80237, USA. ネットワーク Western Digital 80x3/SMC Elite 16(標準原器)・ SMC Elite ULTRA ・ NE1000, NE2000・ HP PCLAN/ PCLAN+・3com 501 (なるべく避けよ う), 503, 509, 579(EISA)・Allied Telesis AT1500 (日本名は HE4000)・ NE2100(AMD Lance や PCnet-ISA/VLB/PCI、Boca PCI)・Cabletron E21xx・DEC DEPCA, DE100, 200, 201, 202, 210, 422(EISA) /EtherWorks3(DE203, 204, 205)/DE 425, 434, 435 (他社の PCIの製品にも同等品が多い 例:SMC Ether Works), 500・Apricot Xen-II、ポケットアダプターでは、D-link DE600, DE620 と AT-LAN- TEC/RealTek、ノートPC内組み込み型ではZenith Z-note のものがサ ポートされ、SLIP, CSLIP,PLIP (Parallel Link IP) も標準カーネルで 対応しています。更に、多数の NE2000 互換ボードの動作確認がされて いますが、互換性が不十分な物も多いので気を付けてください。AT- LAN-TEC の OEM のポケットアダプターは非常に多くの名前で売られて います。更に、試験的に、3com 505, 507・Allied Telesis AT1700・Intel Ether Express・NI5210・NI6510・ Ansel Communication EISA 3200用ドライバなども標準カーネルに付属してい ます。少し変わったところでは NCRなどから出ているAT& T GIS のWaveLAN(無線LAN)も動きます。 一部の PCMCIA カードも動作してい ます。具体的には D-link DE650 ・ 3Com 589 ・IBM製です。イーサー ネットに関して詳しくは、JFの里( ``入手方法'' 節参照)に日本語訳も ある ETHERNET-HOWTOや、カーネルのソースコードのネットワーク関連 の部分 (/usr/src/linux/drivers/netにある)のコメントなどを御覧く ださい。 サウンドボード Adlib・SoundBlaster1.0/2.0/Pro/Pro2・ProAudio Spectrum 16・Gravis Ultra Sound16, Ultra Sound MAX・ MPU-401。上位互換の 新製品もたくさん出ていますが、大抵動いているようです。また、1.3 シリーズのカーネルに付属の物は対応ボードが一層増えています。詳し くは、カーネルパッケージに含まれるサウンドドライバー(他の OSでも 使われはじめたのでVoxWareと名付けられた)に付属の文書や Sound-HOWTOを見てください。VoxWareの開発版は単独でtsx-11などに置 いてあります。 シリアルボード AST Fourport cards(with 4 serial ports)・Boca のいくつか・Usenet Serial Card III。 マウス 大抵のシリアルマウス・バスマウス(Microsoft, Logitec, PS/2, ATI)・ TI travelmate(C&T82C710) Quickport マウス。 その他 この他にも、SCSIでなく専用のI/Fを使うスキャナやデータ収集用の AD コンバータ、ジョイスティック、ビデオ取り込みボードなど動作する ハードウェアはいろいろありますが、専用のソフトやパッチが必要で す。 3. 移植済みソフトの一部 大抵の、有名な Unix用ツールやプログラムは移植済みです:ほとんど全ての GNU もの・多種様々な X 関連ソフト。 移植は大抵簡単で、多くのものが全く 修正無しでコンパイルでき、それ以外でも、わずかの修正でコンパイルできる ことが多いです。これは、Linuxがほぼ完全に POSIX準拠だからです。しか し、残念ながらいわゆるアプリケーションソフトが少なかったのですが、増え て来ています。以下に、移植済みソフトの一部を紹介します。 基本 Unix コマンド ls, tr, sed, awk 他、思い付きそうなのは大抵あります。 開発ツール gcc, gdb, make, bison, flex, perl, rcs, cvs, gprof。 プログラム言語 gcc(C/C++/Objective C), Modula-3, Modula-2, ADA, Pascal, Fortran (f2c+gcc でソースレベルのデバッグも可), ML, scheme, Tcl/Tk, Perl, Python, Common Lisp, その他。また、ISE(問い合わせは info@ise.com)からはEiffelがNAG(http://www.nag.co.uk:70/) からはFortran90が商品として発売されて います。 グラフィカル環境 X11R5, X11R6 (どちらも XFree86 [TM]), MGR。 エディター GNU Emacs, Lucid Emacs, MicroEmacs, jove, ez, epoch, elvis(GNU vi), joe, pico, jed。 日本語版は、jelvis, nemacs。そして、多言語 対応の mule。 シェル Bash (Posix sh コンパチブル), zsh ( ksh 互換モードあり), tcsh, csh, rc, ash (ほぼ shコンパチブル), その他たくさん。 通信ソフト Taylor (BNU-compatible) UUCP, kermit, szrz, minicom, pcomm, xcomm, term/slap (シリアル回線で複数のシェルを実行でき、 Xを使う ことも出来る), Seyon(X-window 用の人気もの). また、クラス2 FAXモ デム用の送受信やZyXELのモデム用の音声録再ソフトもあります。もち ろん、シリアル回線からのログインを受け付けるることも出来ます。日 本語は、kermit, Seyon(変更必要)などで使えます。BBS へのアクセス にはぺーさんこと中込さんによる解説文書が役立つと思います。 JFの 里ディレクトリ(``入手方法''節参照)をのぞいてみてください。 ニュース・メール C-news, trn, nn, tin, smail, elm, mh, pine。日本語で は、sendmail, mh。 文書処理 TeX, groff, doc, ez, Linuxdoc-SGML。日本語は日本語(La)TeX やjgroff, jLinuxdoc-SGMLで扱えます。 ゲーム Nethack・いくつかのMudや X用ゲーム。フライトシミュレーターもあり ますよ。世界中で話題沸騰の DOOM も見逃せません。tsx-11 や sunsite をのぞいてみましょう。なお、麻雀などの日本製のゲームはJG パッケージにまとめられており、JEと同じftpサイト(``tutのミラー'' 節参照)で入手できます。 セットもの AUIS(Andrew システム)。ezは、AUISの一部です。 その他 その他、私(山崎)の趣味でもう少し名前を挙げます:ghostview, gnuplot, xv, idrawを含めた日本語InterViews, Mosaic(日本語にも対 応), 日本語 ghostscript, 日本語tgif, Wnn, Canna, sj3, skk, dviout/dviprt, kcc+ prn, メモリ節約に役立つpxvt, かわいいoneko。 日本語ソフトの多くは、Slackware版およびSLS版のLinux パッケージ用の拡張 キットとして、JE(``日本語拡張キット''節参照) と言う名前でまとめられて います。これには、親切な日本語のメッセージを出すのインストール用ソフト が付いていて、簡単に導入できます。 以上、ここに挙げたものはほとんどがフリーで、これらは全体の100分の 1に も満たないでしょう。UNIX 用のフリーソフトは、まず動くと思っていいで しょうし、大抵はバイナリがあります。 有料のソフトには、X-window用のサーバやMotifライブラリやOpenGLライブラ リ、Fortran90やブジェクト指向プログラミンング言語の Eiffel 、更に数式 処理のMapleやMathematica・行列計算のMATLABや、グラフ作成ソフト、リレー ショナルデータベースもあります。PC UNIX用のWord Perfect (英語版) も、Linuxでの動作を意識して作られています。 現在ある MS-DOS エミュレータを使うとコンソールや X-window などから一部 の MS-DOS ソフトを使う事ができます。英語圏では、DOS用のワードパーフェ クトやゲームなどを使っている人が結構いるそうです。日本語は、IBM の PC- DOS/V 6.3 などを使えばOKです。なお、DOS エミュレータで日本語FEPを動 作させ、それにLinuxからアクセスするためのソフトも書かれています。 4. 誰が Linux を使っているか? Linux は「フリー」であり、使うためにどこかに登録したりする必要はありま せん。そのため、どれくらいの人が使っているのかを把握するのは難しいので す。Linux を販売したりサポートしたりすることだけで、いくつかの商売が成 り立っていますが、それらを利用している人は、全体から見るとほんの一部で しょう。Linux のニュースグループは、Usenet のニュースグループの中で も、とくに盛んに読まれているものです。たぶん、Linux の世界中の利用者は 数十万人でしょうが、よく分かりません。しかし、 Harald T. Alvestrand さ んがカカンにも数を数え始めました。Linux 利用者は、linux- counter@uninett.no へ以下のどれかの Subject をつけたメイルを送ってくだ さい: I use Linux at home 家で使っている。 I use Linux at work 仕事で使っている。 I use Linux at home and at work 家でも仕事でも使っている。 I don't use Linux 使ってない。 なぜか、使ってませんまであるのが凄いですね。集計結果は、時々 comp.os.linux.misc に投稿されています。 5. 入手方法 5.1. 案内 JMETA-FAQ と いう文書に、関連情報を含めた意味での入手法が詳しく書かれています。一読 を強くオススメします。なお、JMETA-FAQ を含めた日本語の Linux 関連文書 は、通称「JFの里」こと ftp.kuis(130.54.23.2) にあります。ここにある文書の大部分は、小野さんを中心に組織した JF プロ ジェクト(Linux 関連日本語文書整備計画)の成果です。英文の文書では、Matt Welsh さんの「Linux Installation and Getting started 」を読んでみま しょう。これ以外にも、LDP(Linux 関連文書整備計画)の成果が役に立つで しょう。 5.2. Anonymous FTP 5.2.1. 海外のftpサイト 少なくとも、以下の ftp サイトには、Linux があります。anonymous FTP サ イトというのは、ftp というプログラムを使うと誰でも利用できるファイルの 貯蔵所です。普通は、anonymous(匿名と言う意味)というユーザー名を使い、 電子メールのアドレスをパスワードとしてログインします。 Textual name Numeric address Linux directory ============================= =============== =============== tsx-11.mit.edu 18.172.1.2 /pub/linux sunsite.unc.edu 152.2.22.81 /pub/Linux ftp.funet.fi 128.214.248.6 /pub/OS/Linux net.tamu.edu 128.194.177.1 /pub/linux ftp.mcc.ac.uk 130.88.203.12 /pub/linux src.doc.ic.ac.uk 146.169.2.1 /packages/linux fgb1.fgb.mw.tu-muenchen.de 129.187.200.1 /pub/linux ftp.leo.org 131.159.0.252 /pub/comp/os/linux ftp.dfv.rwth-aachen.de 137.226.4.111 /pub/linux ftp.informatik.rwth-aachen.de 137.226.225.3 /pub/Linux ftp.Germany.EU.net 192.76.144.75 /pub/os/Linux ftp.ibp.fr 132.227.60.2 /pub/linux kirk.bond.edu.au 131.244.1.1 /pub/OS/Linux ftp.uu.net 137.39.1.9 /systems/unix/linux wuarchive.wustl.edu 128.252.135.4 mirrors/linux ftp.win.tue.nl 131.155.70.100 /pub/linux ftp.stack.urc.tue.nl 131.155.2.71 /pub/linux cair.kaist.ac.kr 143.248.186.2 /pub/Linux ftp.denet.dk 129.142.6.74 /pub/OS/linux NCTUCCCA.edu.tw 140.111.1.10 /Operating-Systems/Linux nic.switch.ch 130.59.1.40 /mirror/linux/sunsite monu1.ccmonash.edu.au 130.194.1.101 /pub/linux cnuce_arch.cnr.it 131.114.1.10 /pub/Linux tsx-11 と、 fgb1.fgb.mw.tu-muenchen.de が、Linux の GCC の公式サイトです。この表のサイトのうち、いくつかはミ ラーサイトです。ミラーサイトとは、どこかのサイトのコピーを置くサイトで す。定期的に本拠地をのぞきにいって、本拠地に変更があればミラーサイトで も更新するように設定されています。 また、sunsite は tsx-11 にはないものも多数おい ています。最近は、tsx-11よりもSunSiteの方が新しいソフトが豊富なので、 主にSunSiteやそのミラーを使うことが多いでしょう。 開発者向けの最新カーネルの最新版は、funet で公開 され、tsx-11 や SunSite などにミラーされています。日本でも多くのftp サ イトで入手できるので、なるべく近くから入手してください。 どれを入手すれば良いのか悩んでしまった場合は、 ``使ってみる''節を読ん でみてください。 5.2.2. tsx-11のミラー 日本でtsx-11のミラーをしているのは、 京都大学 130.54.23.2 が代表的です。なお、以前のLinux情報メモに載っていた sra は、 tsx-11 の ミラーをやめたそうです。また、ディレクトリの名前の変更はよくありますの で注意してください。 5.2.3. sunsiteのミラー もう一方の雄、sunsiteのミラーを日本でしているのは、 IIJ 192.244.176.50 日立 133.144.224.2 大阪大学 133.1.12.12 です。 5.2.4. Slackwareのftpによる入手 一番人気の、Slackware 版 Linux パッケージは日本では、 IIJ 192.244.176.50 東工大 131.112.16.2 東大 157.82.96.67 などにも置いてあります。 5.2.5. JEのftpによる入手 また、日本語ソフトの最新版は、JE(日本語拡張キット) version 0.9.6とし て、 ftp.tut.ac.jp 133.15.64.6 /pub/linux/JE から発信されます。以前は、同大学の colias というマシン(JEのまとめ役の 真鍋さんが運用)がオオモトでしたが、こちらに移されました。ちなみに、日 本産のゲームを集めたJGパッケージも、JEとならんで置いてあります。しか し、入手の際は、少しでも近くのサイトの利用をお勧めします。 京都大学 130.54.23.2 慶応大学 131.113.35.20 東京大学 157.82.96.67 5.2.6. 機種別版のftpによる入手 機種別の特殊なファイルは、以下の所にあります。 FM-TOWNS用: 明治大学 133.26.136.40 京都大学 130.54.23.2 FM-TOWNはとても熱心にサポートされ、ほぼ最新のカーネルが使えま す。パソコン通信の Nifty serve を中心に開発されています。 ノート&IBM用: KDD 192.26.91.3 IBMのTP230用に集められたものですが、PCMCIA対応のパッケージになっ ているので、それ以外のノートやサブノートの利用者にも役立つでしょ う。かなり頻繁に更新されています。 PC98 用(試験公開): 京都大学 130.54.42.3 これは、動作する機種が限られていてるようです。開発は止まっていま す。 繰り返しますが、より詳しい情報が、小野さんのJMETA-FAQ (``JFプロジェク ト''節参照)にあり、他の日本語文書とともに上記の ftp.kuis(京都大学) に おいてあります。 なお、直接 ftp が出来ない人でも、電子メール(ftp-mail)でプログラムなど を入手することが可能ですが、よほど回線が太くないかぎり、文書や不足分の ソフトを補うための手段だと思っていたほうがよいと思います。 ftp-mailの サービスは、日本では ftp.kuis や iij などが、海外では SunSite.unc.edu や ftp.informatik.tu-muenchen.de などで行っています。 5.3. その他の入手法 Linux を置いている BBS は、世界中に多数あります。このようなサイトの一 覧は、Zane Healy さんが管理しており、comp.os.linux.announce に、毎月初 めとなかごろに定期的に投稿されます。この一覧は、上に挙げた tsx-11.mit.edu や、そのミラーサイト(``Anonymous FTP''節参照)に「 bbs.list 」として置いてありま す。 日本のBBSでは、Nifty serve が Linux をおいていますが、古く・不完全だそ うです。 ネットワークが利用できない人は、CD-ROM が便利でしょう。 現在、初心者向けの一押しはCD-ROM付き書籍です。お近くの書店で入手できま す。Linuxパッケージに含まれる代表的プログラムの使い方を中心に、かなり 広く解説しています。実は、Linuxを使わない人でも、Unixのフリーソフトを 使っている人には役立つものです。 「Linux入門」-- PC互換機の最新UNIX環境 -- 小山裕司・斎藤靖・佐々木浩・中込智之 共著 アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン発行 ISBN 4-7952-9652-9 4200円 「RunRun(るんるん) Linux」 ASCII発行 「日本語 Linux CD-ROM」が1993年11月末から発売されています。池袋の Laser5 の手によるもので、最新版は、通称「 JE^3-CD ROM 」として売られて います。海外で一般的なソフトウェア群に加えて、FM-TOWNS用カーネル・日本 語文書等、様々なバイナリやソースコードを含んでいます。この CD の最大の 特徴は、日本の利用者の意見を反映させている点でしょう。もうすぐ、次期 バージョンが発売される予定です。連絡先は、 Laser 5 秋葉原店 〒101 東京都千代田区外神田2-1-13 細野ビル Phone:03-5296-0670 FAX: 03-5296-0671 (株)五橋研究所 〒232 横浜市南区井戸ケ谷下町212-2-2F 電話/FAX:045-721-1885 また、ソフトバンク社の「UNIX USER」誌は1994年1月号の付録として、 SLS 1.03+JE 入りの CD-ROM を付けて以来、付録として続々とLinuxを付けていま す。値段の安さが魅力です。最新のモノを手軽に手に入れられますが、内容的 に整理されていなかったりする場合もあるので初心者は注意してください。 海外では、国際的 linux CD-ROM を複数枚構成にする例が増えて来ました。こ のようなものには、大抵、JE やJFまで含まれています。 ○ Web: Wallnut Creek Walnut Creekから、SlackwareのCD-ROM が発売されています。これが、現時点 のSlackwareの正式版だそうです。 Wallnut Creek CD-ROM 4041 Pike Lane, Suite D-642 Concord CA USA phone +1-510-674-0783 Fax +1-510-674-0821 ○ Web: Infomagic InfoMagic Inc から Linux を含んだ CD-ROM が何種類か販売されています。 インターネットの情報を集めた物で、安い上に2枚組や4枚組と盛りだくさん です。ただし、これらは内容の整合性などは考慮されていませ ん。tsx-11.mit.edu と sunsite.unc.edu という Linux ftp サイトの両雄の ある日の内容に加えて、GNU の正式なサイト prep.ai.mit.eduの内容なども加 えたもので、 Slackware, MCC, TAMU, Debian, SLS 1.05 だけでなく、JEも 入っています。 InfoMagic Inc PO Box 338 Pennington NJ 08534 USA phone +1-800-800-6613, +1-609-683-5501 Fax +1-609-683-5502 ○ Web: Yggdrasil また、Yggdrasil Computing の Plug-and-Play Linux CD-ROM も広く売られて います。設定が比較的簡単なことと、早くから Tcl/Tk入などを積極的に入れ ていることで有名です。ブートフロッピー付でそのまま試すことも出来ます し、(JEとの組合せを考えなければ)便利に使えるでしょう。ディレクトリ構 成が他のパッケージと異なっていたのが使いにくい点ですが、変更の計画があ るようです(既に変更されているかどうかは未確認)。なお、Yggdrasilは、英 語のフリーの文書をまとめて本にした「The Linux Bible」も出しています。 最新版はCD-ROM付きの第3版です。 Yggdrasil Computing, Incorporated CDROM sales PO Box 8418 Berkeley, California 94707--8418 phone +1-800-261-6630,+1-408-261-6630, FAX +1-408-261-6631 ○ Web: Caldera Caldera Inc.ではより使いやすいLinuxを目指して独自に手を加えた版を商品 として販売しています。現時点では、Preview II という、非公式版です。い まのところ、JEを使うにはかなり工夫が必要です。今後の展開が楽しみでしょ う。連絡先は: Caldera, Inc. 931 W. Center St. Orem, Utah 84057 USA これらの CD-ROM は、秋葉原などでも入手することもできます。 IBM-PC を 扱っているお店に当たったり、「DOS/V マガジン」の広告などを見たりしてみ てください。 最後に、『Linux インストール済 PC』についてです。代表的な構成の PC に、Linux をインストールし、動く状態で発売しているところがあります。 日本では三重に本店をもつ電脳工房が提供しています。日本語環境を含む CD-ROMつきだそうですし、「Linuxの発展に貢献すること考えて安心して使え る標準機を提供したい」とのことです。信頼できる顧問も付いているようで す。通信販売も有ります。 電脳工房 〒 514 三重県 津市 栗真 町屋町 1613-5(三重大学前) TEL 0592-32-4033 FAX 0592-32-0705(24h) 電脳工房京都店 京都市 左京区 吉田牛ノ宮町 506 TEL/FAX 075-752-4884 海外には、次のような所がさまざまなハードウェアに、希望に似合わせたイン ストールをしてくれるところがあります。Slackware を入れてもらうことも出 来ますが、JE は無理かも知れません(未確認)。 Fintronic USA, Inc. 1360 Willow Rd., Suite 205 Menlo Park, CA 94025 USA fax: +1-415-325-4908 email: linux-sales@fintronic.com Fintronic USA で扱っている製品に関して、Internet では、「finger linux- sales@fintronic.com 」で情報を入手できますが、とりあえず、Distribu- tion-HOWTO の案内を読んでみてください。 知り合いで、Linux を持っている人がいれば、貸してもらったり、コピーさせ てもらうというのも良いでしょう。Linux 関連ソフトウエアのほとんどは、た とえウリモノのCDに入った物でも、コピーが許されているはずです。 6. 使ってみる 6.1. パッケージ Linux のカーネルは、公式に管理されていますが、全体として「これぞ公式 パッケージ」というものがありません。様々な版(Distribution)が出回ってい ます。くわしくは、Distribution-HOWTO を御覧ください。 1993年頃に一番多くの人が使っていたのが SLS パッケージだった思います が、最近は Slackware を使っている人がほとんどです。「ザ・標準パッケー ジ」をめざしたDebian というのも目が離せない存在ですが、完璧主義のため か正式版がなかなか出てきません。なお、ほとんどのパッケージが、SunSite やそのミラー(``Anonymous FTP'' 節参照)の/pub/Linux/distributions/ ディ レクトリにあります。 SLS は、Peter MacDonald さんが中心にまとめたもので、TeXやX-window も含 めて、大抵の有名ソフトが含んでいます。以前はLinuxを広める推進力として 大きな働きをしたのですが、すでに開発が止まっているようです。 それと対照的に非常に熱心に管理・アップデートされて来た『Slackware』と 言うパッケージが現在の一番人気のパッケージと言えると思います。常に新し くて、かなり安定したソフトウェアをずらりとそろえた内容です。最新版 は3.0 でXFree86-3.1.2も含んでいます。見た目も使い勝手もよいインストー ル用ソフトが付き、最新の周辺機器にも一早く対応している事もあり、なかな かの出来です。 最近は、元Novellの連中により「商品」として作られているCalderaと、その 元になっているRed Hat版パッケージも注目を集めています。とくに、インス トールプログラムの親切さなどはSlackwareより磨きがかかっているそうで す。 6.2. 日本語拡張キット(JE) 日本語関係のソフトは、もともとはSLS版Linuxパッケージ用の日本語拡張キッ ト(JE)として整備されてきましたが、最近では JE も Slackware 版パッケー ジでの動作を第一に開発されています。現時点で新しくインストールするな ら、実績のあるSlackware 版を試してみるのがよいかと思います。 JEは、自称未完成ながら、TeX, ghostscript, nemacs, mule, kterm, mh, kon(コンソール用漢字表示ソフト), Tcl/Tkなど多くの日本語版ソフトウェア がパッケージ化され、日本語のメニューで簡単にインストールできるように なっています。 詳しくは、ガイドワーキンググループが書きおろした、「JE-HOWTO」を読んで みてください。これは、JEとともに配布されています。ガイドは、以前、ガイ ドワーキンググループのメンバーが書いた非常に詳しいインストール案内で す。残念ながら、かなり古いSLS-1.03を想定して書かれて以来更新されていま せんが、基本的な手順は Slackware でもほぼ同じです。なお、ガイドの新版 も検討されていますが、最近では、「Installation-HOWTO と JE-HOWTOのコン ビ」をガイドの跡継ぎにしようと整備してきました。どちらも日本語版があり ますが、残念ながらガイドの域には至っていません。 6.3. 関連文書 6.3.1. HOWTO文書群 細かな疑問が生じたら、「HOWTO 文書群 」を読んでみましょう。これは、肥 大化してしまった FAQ(よく尋ねられる質問と回答集) を再編成し、細かな設 定などを詳しく解説したものです。一文書一テーマになっています。まず は、JF-INDEX や HOWTO-INDEX を見てみましょう。どのような HOWTO が用意 されているかがわかります。実は、「Linux情報メモ」も初心者向けの HOWTO という位置付けにあります。なお、現在の FAQ は、昔のもののように何でも 扱うのではなく、既存の HOWTO のテーマに含まれていない話題を集めた物に なっています。もっとも、FAQ も一度は目を通しておくとよいと思います。 英語で書かれた HOWTO は、comp.os.linux.announce に定期的に投稿される 他、多くのLinux 関連 ftp サイト(``Anonymous FTP'' 節参照)に置いてあり ます。最寄りのところから入手してください。 6.3.2. JFプロジェクト HOWTO の多くは、既に日本語化されてます。これは、JF プロジェクトと呼ば れる日本語文書整備計画の一貫として進んでいるものです。JF プロジェクト では、JF メーリングリストを中心に話し合い、Linux 関連の様々な文書を作 成・翻訳しています。元もとの活動は Linux メーリングリス ト・fj.os.linux・Nifty serve 等での質問や回答をまとめる作業で、もちろ ん現在も活発に続けられています。JMETA-FAQや様々な翻訳を含めた成果は、 「JFの里」とも呼ばれる、 JFの里 (ftp.kuis=130.54.23.2) にあります。 また、Matt Welsh さんの「Linux Installation and Getting Started」も読 んでみましょう。最新版は、Ver. 2.1.1 というもので233ページあります。こ れは「UNIX なんて使ったこと無いよ」という人を対象に書かれた文書 で、Linx/UNIX の基本的な使い方や設定・管理のしかたも丁寧に説明していま す。少し古いVer2.0を元にした日本語版は JF プロジェクトで作成され、校正 中です。日本名は「Linux ことはじめ」です。 7. Linux のライセンス Linux は、全ソースコード付きで配布されていますが、著作権が放棄されたパ ブリック・ドメインソフトではありません。しかし、Gnu General Public License (GPL)のもとで自由な再配布が許され、更に、再配布を妨げることが 禁じられています。Linux の下で動作するソフトウェアは、それぞれが独自の ライセンスを持っていますが、多くのものは、やはりGPL を使っています。X はMIT、いくつかのユーティリティーは BSD の利用許諾に従っています。FTP サイトにある全てのソフトは、特別なディレクトリーにあるものを除き、自由 に再配布ができます(そうでないものは、置かれるべきでない)。ただし、米国 には、秘密保持のための米国内法の制限 により、一部持ち出し規制付きのも のもあるようです。 8. Linux の情報入手 8.1. フリーの文書 Linuxは、フリーの文書が充実しています。英語の関連文書は、次の項解説し てにある comp.os.linux.announce に投稿されるほか、代表的なFTP サイトに おいてあります。入手方法の節(``Anonymous FTP''節)も御覧ください。 LDP プロジェクトの成果が、運用・設定の手引集 「HOWTO」シリーズと呼ばれ る文書群として整備されてきました。これらには、対応ハードウェアと対応の 現状や各種の Linux パッケージの解説なども、詳しく書いてあります。例え ば、以下の所にあります。 HOWTOの里 日本語の関連文書は JF プロジェクトでまとめられています。 JFの里 (130.54.23.2) HOWTO 文書集の和訳もかなり進んでいるので、HOWTO-INDEX (日本語版もあり ます) を読んで、欲しい情報を見つけてください。なお、「(``使ってみる'') 節」も御覧ください。日本語のインストール関連文書で は、INSTALLATION-HOWTOと JE と一緒に置いてあるJE-HOWTO が代表的です。 8.2. ニュースグループ Usenet のニュースグループとして、comp.os.linux.* があります。たとえ ば、c.o.l.a や cola とも呼ばれる comp.os.linux.announce 等です。 また、日本では fj.os.linux があります。 fj.os.linux 日本での中心的な情報交換の場所です。商用BBSなどからも読み書きで きるように成って来たようで、ますます活発なニュースグループで す。HOWTO文書などを読んでもわからないことなどがあれば、恥ずかし がらずにどんどん投稿しましょう。 comp.os.linux.announce Linux のアナウンス用のニュースグループで、moderated として厳しく 管理されています。ここには、新しいソフトの発表や会合の案内、重要 な文書が投稿されます。 comp.os.linux.answers Linux 関連の質問に対する回答用のニュースグループで、moderated と して厳しく管理されています。 comp.os.linux.advocacy Linux を他のOSと比較して議論するためニュースグループです。自由 に投稿できます。 comp.os.linux.admin システム管理・維持に関連した議論の場です。自由に投稿できるニュー スグループです。 comp.os.linux.development.apps Linux用のアプリケーションソフトの開発に関する話をする場で、自由 に投稿できます。 comp.os.linux.development.system カーネルの開発に関連した議論をする場です。くどいですが、カーネル に強く関連したもののみを扱います。自由に投稿できます。 comp.os.linux.hardware Linuxで使われるハードウェアに関した議論をする場です。自由に投稿 できます。 comp.os.linux.setup Linuxの設定に関した話をする場です。自由に投稿できます。 comp.os.linux.networking Linuxのネットワーク機能に関連した議論をする場です。自由に投稿で きます。 comp.os.linux.help 上記以外の質問や助言をする場です。自由に投稿できます。 comp.os.linux.misc 上のどれにも当てはまらないことがらを扱います。自由に投稿できま す。 【注意】Linux のニュースグループ間では、クロスポストをしないでくださ い。クロスポストがよいと考えられるのは、 c.o.l.announce とそれ以外の間 のみです。せっかくニュースグループを分割したのに、記事の数が増えてし まっては、必要なものを探すのに苦労してしまいますよね。 8.3. メーリングリスト 国内国外問わず、実に多くのLinux関連メーリングリストがあり、活発な情報 交換がされています。詳しくは、 FAQ(Frequently Asked Questions with answers) や、JMETA-FAQ をみてください。ニュースか ftp で入手できるで しょう。 日本では fj.os.linux 設立以前は、主にメーリングリスト(ML)により情報交 換をしていました。現在でも、Linux-MLはなかなかの人気ですが、 Linuxの普 及や更なる開発などの作戦会議室にしようとしています。また、日本の開発者 専用のMLや日本の専用雑誌創刊の相談MLなどもあります。また、商用BBSの Nifty serve や日経 MIX などでも情報交換が行なわれています。PC-VAN にも 「Linux情報メモ」などがアップロードされていると思います。 8.4. Webサイト 全世界規模で爆発的に普及して来ているWWWサーバーでも、Linux 関連情報が 得られます。今回紹介するのは、ごく一部のものです。 MosaicなどでWWWにア クセスできる方は、先ずは「米田さんの Linux 御殿」を覗いてみましょう。 o WWW: 米田さんの Linux 御殿 o WWW: JFプロジェクト公式Webサイト o WWW: Linux文書整備計画(LDP) o WWW: Linux www 今後もどんどん増えることが予想されています。 8.5. 雑誌その他 海外では実用品として高い評価を得ている Linux は、日本でも最近になって 利用者がどんどん増えていおり、雑誌などで取り上げられる機会も増えて来ま した。連載はスーパーアスキー誌には「PC UNIX」、UNIX USER誌には「プレ イ・パーソナル Linux」、Software Design誌には「Let's Enjoy Linux」とい うコーナーに「Linux活用メモ」という題名のものなどがあります。その他の 単発記事などは「JMETA-FAQ」を御覧ください。 米国では「Linux Journal」という英語のLinux専門誌が刊行されました。これ は、いろいろなレベルの人を対象にした解説記事や読みものを取り上げ、全て の Linuxユーザーが楽しめるようにと編集されています。素朴だが綺麗な仕上 りと読みごたえのある文章で大人気です。北米以外からだと年間 US$29 で定 期購読できます。申し込みや問い合わせは以下まで: SSC (Linux Journal) Linux Journal P.O. Box 85867 Seattle, WA USA 98145-1867 電子メール: linux@ssc.com FAX: +1-206-782-7191 (USA) なお、決して、電子メールでクレジットカード番号を送らないでください。 カード番号が盗まれ、多額の請求書が来る恐れがあるからです。クレジット カード(VISA/Master/Amex)を使ってFAXで注文するのが楽でしょう。ちなみ に、過去の面白い記事を集めた「Linux Sampler」 (ISBN0-916151-74-3)も同 社(SSC)から発売されています。 以前は、ニュースレターが時々出ていました。これは、重要なアナウンスなど をまとめたもので、たまに読みものもあります。最近は案内が無いの で、Linux Journal にとって変わられたのかもしれません。アナウンスは comp.os.linux.announce でされます。 また、新しいカーネルの情報などは、 finger torvalds@kruuna.helsinki.fi によっても得られますが、あまり乱用しないようにしましょう。 9. Linux 関連質問 一番答えが得られそうなのは、fj.os.linux というニュースグループに投稿す ることです。Linux 固有の問題か UNIX 一般の問題かよく分からない場合に も、投稿してしまいましょう。ただし、『ほとんどの疑問の答えはHOWTOにあ ります!』。分からないことに出会ったら、まずは読んでみることをお薦めし ます。質問の際はエラーメッセージなど具体的に書いてください。また、何か の文書を読んだ上で質問する場合は、例えば、「Linux 情報メモには xxx と あるが良く分からない」というように、引用して質問すると疑問点がはっきり しやすいでしょう。 日本では、FAQ をまとめる 「JFプロジェクト」に協力するために、Linux 関 連の質問や回答に、SGML 形式というのを使うことが勧められています。これ に従うと、質問や回答が自動的に整形された文書になるのです。『ぜひ』協力 してください。この形式を使うだけでも Linux 界への貢献になり、多くの人 を助けることにつながるのです。例えば、以下のようになります。 FAQ, Linux, SGML Linux FAQってのは何ですか? あべ@三菱電機(hironobu@sy.isl.melco.co.jp) 1993年9月20日 Linux FAQってのを見たのですがよく分かりません。 一体何なんでしょう?教えて、偉い人。 Linux FAQってのは、Linuxに関して良く行なわれる質問/ 回答をまとめたもので、Frequentry Asked Questionsの略です。 初心者の人がnetworkなどで質問をしようと思った時でも、きっと 他の人も過去に同じ質問したかもしれませんね。FAQを見れば解決 する問題かもしれません。また見落しがちな問題もFAQにまとまっ ているので慣れた人でも読みかえすことで、新しい発見があるか も知れません。 現在、JF-MLでLinuxに関するFAQをまとめています。fj.os.linux やLinux-MLで質問を行なう時には、このフオーマットに従って書 いていただくとあとの作業が楽になりますので御協力をお願いし ます。 小野@京大環境地球 (ono@eiehost.gee.kyoto-u.ac.jp) Frequently Asked Questionsですよね。 細かいつっこみだなぁ(^^; 質問は、 で挟みます。ただし、皆がつまずきそうな点に関す る質問は、で挟んでもよいです。質問や回答は、最後に や で閉じることが勧められていますが、省略も可能です。ちなみに、 <\Q>ではなく、です。また、 といったキーワー ドは大文字で始めることが勧められています。 実は、この形式は自動処理には良いが人間には「面倒だ」「読みにくい」など の意見が出され、より簡略化した形式も検討されています。現在、質問を で始めるだけでも文章をまとめるのに非常に役立つと分かって来まし た。質問にはこれだけでも付けてみてくださると嬉しいです。 10. 将来計画 Linux は、version 1.0 が公開されてから暫くたちます。しかし、これで終っ たわけではありません。ディスクの読み書きの高速化や新しい周辺機器のサ ポートなど多くが改良された開発版1.1の成果を踏まえた、安定指向版の1.2が 落ち着いてきました。その一方で、linux-1.3も作られて、高速化や複数CPUへ の対応などを含めて更なる開発が進んでいます。 また、文書もプログラムも、まだまだ欲しいところです。文書に関しては 「Linux Documentation Project(LDP)」がどんどん進行しており、様々な文書 が出来ています。主として、 linux-activists@niksula.hut.fi のDOCチャネ ルで相談しています。興味のある方はどんどん参加してください。これから も、面白い作品が続々登場しますョ。乞う御期待! 多くの市販の SYS V UNIX 用の一部プログラムを動作させる計画が進行中で す。これらの成果により、SYS V互換環境で UNIX 版のワードパーフェクト (英語版)が動くようになりました。さらに、Linux をターゲットにした市販 のソフトウェアも出て来ています。 また、Windowsアプリケーションを実行させるソフト Wine も開発が進んでい ます。現在でもMS WINDOWS付属のトランプゲーム Solitaire や、シェアウェ アの Taipei ゲーム程度は遊べるそうです。詳しくは、 tsx-11のミラーサイ トのlinux/ALPHA/Wine ディレクトリーを御覧ください。 また、Mach OS の元で動く Linux サーバの開発や Gnu Hurd との融和へ向け ての作業も進んでいます。 一方では、いわゆるRISC PCや、Sun のワークス テーションへの移植も、本格的に進んでいます。これれらのほとんどは、現時 点では非公開のプロジェクトです。Linuxの生みの親 LinusさんもALPHAを持っ ていて、64ビット版のLinuxを開発しているそうです。詳しくは、Mosaic やChimeraなどでWebサイト(``Webサイト''節参照)を覗いてください。 11. この文書 この文書は、 Michael K. Johnson (johnsonm@nigel.vnet.net)さんが、 Linux INFO-SHEET という題名で comp.os.linux.announce などに定期的に流 しているものを山崎康宏(hiro@ice3.ori.u-tokyo.ac.jp)が翻訳し、独断と偏 見に基づき加筆修正したものです。間違いの指摘・ご質問・ご意見など は、fj.os.linux か、わたし宛のe-mailや郵便で遠慮無くお送りください。ま た、各種ご支援や季節の挨拶なども大歓迎です。ただし、返事がないかも知れ ませんのであしからず。 Y. Hiro Yamazaki 666 Spadina Ave., UNIT 2412 Toronto, Ontario Canada M5S 2H8 なお、元の文書(英語)のかなり新しい版が、常に、 INFO-SHEET として置いてあります。日本では、ftp.kuis 等にあります。PostScript 版も INFO-SHEET.ps という名前で同じディレクトリにあるでしょう。「Linux 情報 メモ」の公式最新版は、``入手方法'' 節で紹介したJFの里にあります。最近 のものはSGML形式で、JF の里の その他のフォーマットのディレクトリ にある jmemo.sgml です。 12. 注意 この文書中の登録商標は、その所有者のものです。この文章中の記述は無保証 ですので、自分の判断で参考にしてください。この文書の内容はパブリックド メインですので、自由に使っていただいて構いません。ただし、引用の場合は 引用であるとを示すなどのエチケットは守ってください。 ================================== Yasu Hiro Yamazaki _______ _/\_ / / hiro@ice3.ori.u-tokyo.ac.jp | _ | _/\_> <_/\_ __ / / , \ , \ hiro@atmosp.physics.utoronto.ca | (_) | > < _/ _/ _/ _/_< __/ Dept. of Physics, Univ. of Toronto |_______| `----||----'