JAZ-drive mini-HOWTO Bob Willmot, bxillmot@cnct.com v1.3, 05 August 1996 鴨澤眞夫, JCD00743@niftyserve.or.jp v1.3j, 01 Oct 1996 この HOWTO では、Linux で Iomega の Jaz ドライブを設定・使用する方法 と、 Jaz ドライブ用のソフトウエアツールを取り扱います。 JF より:この文書は、1996年10月以来、更新されていません。現在とは事情 が異なる場合があるので、ご注意ください。 1. はじめに Iomega の Jaz ドライブは、容量 1021 MB のリムーバブルディスクドライブ です。現在のところ SCSI の内蔵・外づけの物が利用できます。Iomega では IDE の内蔵型を製品化する予定です。 この文書には、Linux で Jaz ドライブを使う方法が記されています。このド ライブはSCSI なので、Drew Eckhadt の SCSI HOWTO を読むことも重要です。 o (日本語訳) 情報を提供して下さった o Grant Gunther, grant@torque.net o Tom Poindexter, tpoindex@nyx.net o Todd Woods, woods@cs.uiowa.edu 各氏の寄与に感謝いたします。 コメント、提言、修正すべき点がありましたら、Bob Willmot、bwillmot@cnct.com にお送り下さい。 [訳注:日本語版への感想や、おかしな点がありましたら、(もちろん) 鴨澤眞 夫 JCD00743@niftyserve.or.jp にメールを下さい。おねがい。] 2. Jaz のディスク Jaz のディスク(カートリッジ)は 3.5 インチのフロッピーを3枚重ねたよ うな感じです。これに 1GB のデータが入ります。 ドライブにはイジェクト機構が付いており、イジェクトボタンでもソフトウエ アでもイジェクトできます( 5. の ``jaztools Linux'' というソフトについ ての情報を参照のこと) 2.1. Jaz Jet ホストアダプタ Iomega は Jaz Jet という名前で SCSI ホストアダプタを売っています。 現在このボードには、 SCSI チップセットの異なる2つのバージョンが存在す ることが判っています。 片方は Adaptec の 7800 ファミリーのアダプタが元なので、2930/2940 と互 換性があります。Linux 2.0 では aic7xxx ドライバが使えます。(このドラ イバはカーネル 1.3.? で取り込まれた物です。) もう片方は Advanced Systems のチップセットを使っており、 Jaz Jet PCI SCSI adapter Copyright Advanced Systems 1996 の様にメッセージを出します。カーネルのコンパイル時、"AdvanSys SCSI support" に 'y' と答えてください 3. カーネルを Jaz ドライブ用に設定する Linux で Jaz ドライブを使うには、お持ちの SCSI アダプタに合わせてカー ネルを設定する必要があります。 カーネルの構築に関する情報は、/usr/src/linux/README にあります。 2.x のカーネルをお使いなら、/usr/src/linux/Documentation/ にあります。 Brian Ward の Kernel-HOWTO も見て下さい。 o (日本語 訳) 4. ブート時に Jaz ドライブを認識する ブート時に、アダプタおよびドライブに入っているディスクに関するメッセー ジが出るはずです。 ブートメッセージは SCSI アダプタによって異なります。また、メッセージは /var/log/messages (または /var/adm/messages )というファイルに保存さ れ、dmesg コマンドでコマンドプロンプトから「再生」できます。 [訳注:いまさらですが、Linux の仮想コンソールは Shift + PageUp or PageDown でスクロールできますので、 dmesg を使わなくてもブート後に見る ことが出来ます] これは Adaptec 2940 コントローラが 1 枚付けてあるマシンで、カーネル 2.0.10 が出したメッセージです。 aic7xxx: BurstLen = 8 DWDs, Latency Timer = 64 PCLKS aic7xxx: AHA-2940 Ultra Rev B. aic7xxx: devconfig = 0x580. aic7xxx: Reading SEEPROM...done. aic7xxx: Extended translation enabled. aic7xxx: Using 16 SCB's after checking for SCB memory. AHA-2940 Ultra (PCI-bus): irq 11 bus release time 40 bclks data fifo threshold 100% SCSI CHANNEL A: scsi id 7 scsi selection timeout 256 ms scsi bus reset at power-on enabled scsi bus parity enabled scsi bus termination (low byte) enabled aic7xxx: Downloading sequencer code...done. aic7xxx: Resetting the SCSI bus...done. scsi0 : Adaptec AHA274x/284x/294x (EISA/VLB/PCI-Fast SCSI) 3.2/3.1/3.0 scsi : 1 host. aic7xxx: Scanning channel A for devices. aic7xxx: Target 4, channel A, now synchronous at 10.0MHz, offset(0xf). Vendor: iomega Model: jaz 1GB Rev: G.60 Type: Direct-Access ANSI SCSI revision: 02 Detected scsi removable disk sda at scsi0, channel 0, id 4, lun 0 scsi : detected 1 SCSI disk total. SCSI device sda: hdwr sector= 512 bytes. Sectors= 2091050 [1021 MB] [1.0 GB] sda: Write Protect is off 上のログ中、生の SCSI デバイス名 (sda、sdb など)に注意して下さい。後 でディスクにアクセスするとき必要です。 この行が無い場合、ハードウエアかカーネルの設定が何か間違っています。 scsi0: という行が無い場合、ホストアダプタとドライバの設定ができてませ ん。何が悪いのか、ヒントを出してくれるドライバもあります。ドライブが検 出されない場合、ケーブルが悪いのかもしれません [訳注:ドライブ本体が悪 い可能性もあるし、電源が入っていない可能性さえも]。ドライブ名が割り当 てられない場合、カーネルの構築時に SCSI ディスクサポートを入れ忘れたか も。 あとは drivers/scsi にある README ファイル群と SCSI HOWTO をチェックし て下さい。 4.1. Fdisk、mke2fs、mount などを行う Jaz のドライブ名が判ったら準備完了です。fdisk、mke2fs、 mount といっ た、Linux の標準的なディスク取り扱いコマンドが使えます。 各コマンドのマニュアルを参照して下さい。 4.1.1. DOS フォーマット済みのディスク 出荷時に Iomega がフォーマットしたディスクには、単一のパーティションが 切ってあります。(どういうわけか、第 4 パーティションです) このようなディスクは以下のコマンドでマウントできます。ここでは Jaz ディスクを sda と仮定しています。 mkdir /jaz mount -t msdos /dev/sda4 /jaz また、2.0 のカーネルを Win95 の VFAT をサポートするようにコンパイルし た物をお使いなら、 mkdir /jaz mount -t vfat /dev/sda4 /jaz とします。 これでロングファイルネームの読み書きができます。) ディスクに入っているファイルが /jaz の中にあらわれます。ディスクがマウ ントされているあいだ、イジェクトはできません。 ディスクのアンマウントには umount /dev/sda4 とします。 マウントポイント /jaz は、一度作ればよいものです。 (ドライブを umount するときは、自分が /jaz の中に居ないのも確認してく ださい。) 4.1.2. Linux のディスクとして再フォーマットする Jaz ディスクの中身を消去して、Linux 固有のファイルシステムを作りたい場 合、ディスク全体に fdisk をかけます: fdisk /dev/sda 既存のパーティションを d コマンドで削除し、n コマンドで新しいパーティ ション を作ります。基本 (primary) パーティションの1番を使って下さい。 次に w コマンドでパーティションテーブルをディスクに書き込み、q で抜け て下さい。 パーティションのフォーマット mke2fs /dev/sda1 これでマウントできるようになりました(1 は fdisk で与えたパーティショ ンの番号です)。 mount -t ext2 /dev/sda1 /jaz (前に作ったマウントポイントを使っています。) 4.1.3. Jaz Tools ディスク Jaz ドライブ付属のディスクは出荷時にソフトウエアによるライトプロテクト を掛けてあります。ですからこのディスクを使うには、もう一働きしてくださ い。普通は Linux で使ってみる前に DOS でアンロックするようです。Linux はロックされたディスクにアクセスできませんから、Iomega のツールでロッ クを外しておかねばなりません。 5. jaztools Iomega の特殊機能(ソフトウエアからのイジェクト、ライトプロテクトな ど)をサポートする Linux のプログラムが o にあります。 jaztools は間もなく GUI を使った新バージョンが出ます。新バージョンはド ライブのスキャンと、ディスクのオートマウント・オートアンマウントをサ ポートしています。 6. よく聞かれる質問( FAQ ) 6.1. Jaz が回転停止したあと、システムがロックされてしまいますが? カーネル 1.2 や初期の 1.3 を使っている人々から、Jaz ディスクが回転停止 するとシステムがロックされる、あるいは SCSI エラーメッセージが出るとい う報告がありました。 私は 2.0.x を使っていますが、今まで問題が起きたことはありません。回転 停止も経験していません。何か問題があるなら、 http://sunsite.unc.edu/pub/Linux/kernel/v2.0/ から最新版の 2.0.x を 取ってきて、試してみて下さい。 [訳注:日本では ftp.tut.ac.jp:/Linux/Kernel/v2.0 あたりでしょうか。非 常に大きなファイル(パッチを含めると 6MB以上)なので、archie などして ネットワーク的に近い所から取ってきましょう。] 6.2. Jaz ドライブからブートできますか? SCSI ホストアダプタによります。ホストアダプタにターゲット 5 か 6 から ブートできる BIOS ROM が載っていれば、Jaz ドライブからブートできます。 6.3. Iomega はなぜ第 4 パーティションを使うのですか? わっかりっません。手がかりあります? 6.4. ブート時にマウントしておくには? /etc/fstab ファイルに一行加えるだけです。例えばあなたがいつも DOS の ディスクを入れてブートするなら、fstab に /dev/sda4 /jaz msdos defaults 0 0 を加えます。配布パッケージによっては、初期化スクリプトが fstab に入れ てあるパーティションを fsck しようとするかもしれません。この場合、ブー ト時におかしなディスクが入っていたり、ディスクが入っていなかったりする と、問題が起きるかもしれません。ご注意を。 6.5. ブートの時、ディスクが入っていなかったらどうなるんでしょうか? カーネルはパーティションテーブルを読もうとしますが、(結局は)タイムア ウトになります。 ディスクを交換するたびに fsck してパーティション構成をチェックするのも 良いでしょう。 SCSI ホストアダプタの BIOS には、ブート時にディスクのパーティション テーブルを読もうとする物があります。このチェックを外せない場合、いつも ディスクを入れたままブートせざるを得ないでしょう。 7. もっと新しい情報は この mini-HOWTO の最新版は: o Iomega の web ページは o にあります。