seyon ミニ HowTo 川岸良治 v2, 1997/06/01 Seyon を日本語環境で利用する方法 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Table of Contents 1. seyon とは? 2. seyon の入手とインストール 3. seyon の基本設定 3.1. ~/.seyon/startup の変更 3.2. ~/.seyon/phonelist の変更 3.3. オートログイン用スクリプトファイルの作成 3.4. ~/.seyon/protocol の変更 4. seyon で日本語表示するには? 4.1. seyon-emu を使う方法 (その 1) 4.2. seyon-emu を使う方法 (その 2) 4.3. seyon-emu を使う方法 (その 3) 4.4. 既存の kterm ウィンドウを使う方法 4.5. FVWM 95 のメニューに追加する方法 5. seyon の使い方 6. seyon で日本語入力するには? 7. seyon で通信ログをファイルに落とすには? 8. seyon でテキストファイルをアップロードするには? 9. Nifty の BPlus でファイルをダウンロードするには? 10. ロックファイルの問題について 11. 参考資料 12. Copyright 12.1. 著作権 12.2. 改版履歴 1. seyon とは? X Window-system 上で動作するターミナル・エミュレータです。オートログイ ン、バイナリファイルのダウンロードなどを含むほとんどの操作がマウスで出 来ます。パソコン通信用の通信ソフトとして使えます。以下に述べる設定によ り、日本語の表示/入力が可能になります。 このドキュメントの内容は、以下のような環境で動作確認しました。 seyon : version 2.1 rev. 4b Slackware : 3.1.0 カーネル : 2.0.0 Xfree86 : 3.1.2 / 3.2 JE : 0.9.8a (但し、10 章については Slackware : 3.0 です) ところで seyon とは、どういう意味なのか英語とフランス語の辞書で調べてみ たのですが出ていませんでした。作者の Muhammad M. Saggaf という方の住所 がサウジアラビアの Dhahran とマニュアルに書いてあるので、そちらの方の言 葉と関係があるのかもしれません。ご存知の方は教えて下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2. seyon の入手とインストール Slackware の場合、xap1 パッケージの中にバイナリファイルが入っています。 次のようにしてインストールします。 1. # cd /cdrom/SLACK310/slakware/xap1 ディレクトリは CD-ROM によって異なります。 2. # installpkg seyon.tgz 3. 念のため、どこに何がインストールされたか確認するには、 # pkgtool と入力後、view コマンドで seyon を指定して調べます。 4. seyon のインストール直後にある /usr/X11/bin/seyon-emu を rm コマンド で削除します (このファイルは、xterm へのリンクが張られています)。 5. kterm(ここでは、xterm でもよい)上で # seyon -noemulator -modem /dev/ttys0 と入力して seyon を起動すると、~/.seyon というディレクトリが作られ その下に各種設定ファイル(startup, phonelist, protocols など)がコ ピーされるので、すぐに Exit ボタンを押して終了させます。 [参考1]: Linux には、COM1 から COM4 に対応する基本的なシリア ルデバイスが4つあります。モデムがどのポートに接続されているかに 合わせて上記の /dev/cua0 のところを変えて下さい。 /dev/cua0, /dev/ttyS0 (COM1) address 0x3f8 IRQ 4 /dev/cua1, /dev/ttyS1 (COM2) address 0x2f8 IRQ 3 /dev/cua2, /dev/ttyS2 (COM3) address 0x3e8 IRQ 4 /dev/cua3, /dev/ttyS3 (COM4) address 0x2e8 IRQ 3 /dev/tty? は受信用に、また /dev/cua? は発信用に使われます。 詳しくは、JF の Serial HOWTO をご覧下さい。この Serial HOWTO 日 本語版には、この他にモデムの設定とかトラブル時の対応など役に立 つことが書かれています。 [参考2]: linux を始めとする unix 系の OS で、一つのシリアル ・ポートに ttyS# と cua# 複数のデバイスが存在している理由ですが 、歴史的にモデムがまだダイアル機能を内蔵していなかった大昔に遡 ります。この頃にはダイアラーと呼ばれるダイアルだけをする専用の 装置があり、それぞれのデバイスはモデム(ttyS#)とダイアラー(cua#) という別々の装置につながっていました。ダイアル機能を内蔵したモ デムが一般的になってきた時に互換性を維持するために ttyS# は cua # と同じシリアル・ポートに接続するようにし、 ☆ cua# は発呼用デバイスとしカーネル内部でロックを行ない、回 線が接続されていなくてもオープンできる。 ☆ ttyS# は通信用デバイスとしロック・ファイルを使ってロック を行ない、回線が接続されていなればオープンできない。 という仕様にしました。多くのソフトウェアがこれを前提に作られて いたので、linux でも cua# が発呼用デバイス、ttyS# を受信用デバ イスとされて来ました。古いドキュメントにもそのように書かれたも のが多くあります。ただ、この仕組みには大きな問題があり、一つの モデムで発信と受信の両方を行なおうとした場合にロック形式の違い などによりデバイスの取り合いが発生してしまいます。それで最近の linux では発信も受信も統一的にロック・ファイルを用いてロックを 行ない、ttyS# を用いて通信を行なうというのが一般的になっていま す。発信しかしない場合には ttyS# と cua#との違いは気にならない かもしれませんが、cua#は歴史的遺物ですので積極的に使う理由はな いと思われます。使うとしたら古いソフトをそのままで動かしたい場 合くらいでしょうか。 また、ソースを make してインストールする場合は以下のようにします。 1. config.h を自分の環境に合わせて修正します。 2. xmkmf を実行して make ファイルを作成します。 3. make を実行して seyon をビルドします。 4. make install と入力して、プログラムとサポートファイルをコピーします 。 5. make install.man と入力して、マニュアルをインストールします。 6. ~/.seyon というディレクトリを作成し、そのディレクトリの下に startup, phonelist, protocols というファイルをコピーします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3. seyon の基本設定 3.1. ~/.seyon/startup の変更 このファイルには、モデムに関する設定を次のようにします。 set baud 19200 # デフォルトのボーレート set bits 8 # データのビット数 set parity 0 # パリティ無し set stopBits 1 # 1ストップビット set meta_tr off # (後述) set autozm on # zmodem でのダウンロードが半自動で行えます transmit "ATZ^M" # モデムの初期化コマンド。モデムに合わせて設定。 # 但し、多くのモデムはそれ自身の不揮発メモリの # 中に入っているのでここでの設定は不要です。 ボーレートは必要に応じて、300,1200,2400,4800,9600,19200,38400 の何れか を指定します。14400 や 28800 が無いのは、kernel のシリアルドライバがサ ポートしてないからです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.2. ~/.seyon/phonelist の変更 このファイルには、BBS の電話番号、ネット名、そのネットのログインスクリ プトのファイル名などを指定します。 123-4567 Kusanone BPS=19200 320-7470 Nifty-9600 BITS=8 BPS=9600 SCRIPT=script.NIFTY BPS= は必要に応じて、300,1200,2400,4800,9600,19200,38400 の何れかを指定 します。14400 や 28800 は無いので要注意。この BPS= を指定しないときは ~ /.seyon/startup で指定したデフォルトの値になります。 SCRIPT= にスクリプトファイル名を記述しておくと、それに従って自動的にオ ートログインできます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.3. オートログイン用スクリプトファイルの作成 前項の例のように SCRIPT=script.NIFTY とした場合 script.NIFTY というファ イルを作成し、下記のように記述します。これは、NIFTY ROAD-3 (9600bps)の 場合の例です。 waitfor "HOST NAME?" 30 if not waitfor goto exits endif # connect NIFTY ROAD-3 (9600bps) waitfor "*" transmit "C NIF^M" waitfor "--->" 10 transmit "SVC^M" # send ID waitfor "--->" 10 transmit "ABC01234^M" #「ABC01234」の所は自分の ID を入れます。 # send PassWord waitfor "--->" 10 transmit "XYZ98765^M" #「XYZ98765」の所は自分のパスワードを入れます。 exits: 最初の方は、"HOST NAME?"という文字列が来るのを30秒間待って、来なければ exits: に飛びます。来たら"*" を待ち "C NIF^M" を送信する・・・以下同様 で ID とパスワードを送信します。^M はENTERキーのことです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.4. ~/.seyon/protocol の変更 ファイル転送に使うプロトコルやディレクトリを指定します。 Xmodem, Ymodem ,Zmodem が使用できます。 Nifty Serve の BPlus については、「8. Nifty の BPlus でダウンロードするには?」をご覧下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4. seyon で日本語表示するには? 日本語表示の設定および起動には、下記のようにいくつかの方法があります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.1. seyon-emu を使う方法 (その 1) 1. seyon のインストール直後にある /usr/X11/bin/seyon-emu を削除します。 (このファイルは、xterm へのリンクが張られています) 2. 次のような内容(1行だけ)の同じ名前のファイルを作ります。 kterm -km sjis "$@" 3. このファイルを実行可にします。 chmod +x /usr/X11/bin/seyon-emu 4. .Xresources または .Xdefaults に以下のものを追加します。 seyon*modems: /dev/cua0 seyon*dialPrefix: ATDP seyon*dialSuffix: ^M Seyon*vt100*foreground: black Seyon*vt100*background: SkyBlue Seyon*vt100*geometry: 80x25+50+250 Seyon*vt100*scrollBar: true Seyon*vt100*SaveLines: 1000 foreground,background の色の名前は、/usr/X11R6/lib/X11/rgb.txt に書 かれているものの中から指定します。このように設定後、seyon(リターン )と入力すると新たな kterm のウィンドウが開きます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.2. seyon-emu を使う方法 (その 2) 1. インストール直後にある /usr/X11/bin/seyon-emu を削除します。(このフ ァイルは、xterm へのリンクが張られています) 2. kterm にリンクを張りなおすために # ln -s /usr/X11/bin/kterm /usr/X11/bin/seyon-emu と入力します。 3. .Xresources を修正[上記 4.1 の (4)項を参照] 4. 起動は # seyon -- -km sjis -sb -sl 1000 と入力すると、新たに kterm が起動します。 ここでは、シフトJIS と1000行のスクロールバーを指定しています。 (4) の -- というのが、それ以降のパラメータを kterm に渡しています。 しかし、これだと毎回 seyon を起動するたびに上記の長ったらしいのを打ち込 む必要があり不便なので次のように alias に定義します。(シェルがbash の 場合です。tcsh だと = の代わりにスペースです) % alias seyon='seyon -- -km sjis -sb -sl 1000' これを ~/.profile の中に記述しておけば、起動は % seyon と入力するだけで新たな kterm ウィンドウが開きます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.3. seyon-emu を使う方法 (その 3) 1. インストール直後にある /usr/X11/bin/seyon-emu を削除します。(このフ ァイルは、xterm へのリンクが張られています) 2. kterm にリンクを張りなおすために # ln -s /usr/X11/bin/kterm /usr/X11/bin/seyon-emu と入力します。 3. ~/.Xdefaults に下記を追加します。 Seyon*vt100*geometry: 80x25 Seyon*vt100*KanjiMode: SJIS 4. 起動は # seyon & と入力すると、新たに kterm が起動します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.4. 既存の kterm ウィンドウを使う方法 NIFTY-Serve の場合一般の漢字コードは SJIS ですが,漢字コードを指定して 受信することができます。これはログイン時に指定できます。例えば3.(3)の スクリプトファイルの transmit "SVC^M" を、 transmit "SVC/EUC^M" のように書き換えておけば,通常の kterm 上で seyon を使い,日本語表示が できます。kterm 上で seyon を起動するには % seyon -noemulator -modem /dev/ttys0 と入力します。 [参考]: NIFTY-Serve では漢字コードとして以下のような指定ができま す。 SVC(半角)→ SJIS SVC/EUC → EUC SVC/OJS1 → 旧JIS1 ......等 SVC(全角) → 漢字コードを自動識別する ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.5. FVWM 95 のメニューに追加する方法 ~/.fvwm2rc95 の 320 行目あたりに下記を追加します。 2行目と3行目は、実際 には1行に続けて書きます。 =========ここから======================================================= AddToMenu "Applications" "Applications" Title + "Seyon" Exec kterm -rv -sb -sl 1000 -geometry 100x50-0+0 -km sjis -T Seyon -e seyon -modems /dev/cua0 -noemulator & =========ここまで======================================================= kterm 起動のパラメータの意味は、次のようになっています。 白黒反転表示 (-rv) スクロールバーを表示する (-sb) スクロールバッファは1000行分 (-sl 1000) 画面サイズ(100桁50行)と位置 (-geometry 100x50-0+0) shift-jis モードにする (-km sjis) ウィンドウのタイトルを「Seyon」と表示 (-T Seyon) seyon を起動 (-e Seyon) /dev/cua0 につながっているモデムを使用 (-modems /dev/cua0) ターミナルエミュレータ (xtermとか kterm) を新規に起動しない (-noemulator) 使い方は FVWM95 の Start ボタンをクリックし、Applications をクリック seyon をクリックで OK です。 ( 使用環境は、解像度1280*1024 、文字 shift-jis ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 5. seyon の使い方 ダイアリング seyon を起動すると、seyon のターミナル・エミュレータ・ウィンドウと seyon command center というウィンドウが開きます。「Dial」ボタンをク リックすると phonelist ファイルに記述した BBS の一覧が表示されるの で接続したい BBS を選択してダブルクリックするか、または「GO」ボタン をクリックします。ログインスクリプトファイルが正しく設定してあれば 、オートログインします。 ファイル転送 seyon command center の「Transfer」ボタンをクリックするとファイル転 送用のウィンドウが開き、protocol ファイルに記述したプロトコルのコマ ンド一覧が表示されます。プロトコルを選んでから「GO」ボタンをクリッ クするとファイル転送を開始します。 通信の終了 通信終了時、BBS のホスト側で回線を切断されればよいのですが、自分で 切断したいときは seyon command center の「Hangup」ボタンをクリック します。 seyon を終了させるには seyon command center の「Exit」をク リックします。 その他 seyon command center の「Set」ボタンで、モデムの設定等ができます。 「Shell」ボタンは、シェルコマンドを実行できます。他にも「About」「 Help」「Misc」というボタンがありますが説明は省略します。詳しくは、 マニュアルを調べてください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 6. seyon で日本語入力するには? seyon のデフォルト設定のままでは、kterm の漢字コードを Shift-JIS にして も kinput2 を使っての漢字入力が出来ない(出来ているのかも知れないけれど エコーバックの字が消えてしまう)という問題が出るので次のようにします。 Seyon Command Center の中の Set ボタンをクリックします。現れたメニュー の中の Meta→ESC ボタンをクリックしてオフにします。日本語を入力しても消 えることなく、表示されるようになります。 seyon を立ち上げると同時に自動で日本語入力出来るようにするには ~/.seyon /startup というファイルの set meta_tr on という行を set meta_tr off と書き直せば OK です。 [参考]: 上記の問題は、Seyon が Meta ビットの変換を非常に低レベル のルーチンで行なっているためです。この変換処理は、実際には、MSB( Meta ビット)が立っている文字は、 ESC + MSB を削除した文字、という 2文字に変換して送信する、というものです。つまり、他のシステムにロ グインしているとき、 (Emacs などで) Meta (alt) key を使いたい、とい う理由で meta_tr on になってるのでしょう。試したことは無いですが、 JIS モードで接続している場合には、 meta_tr on でもうまくいくのでは ないかと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 7. seyon で通信ログをファイルに落とすには? seyon の capture 機能は,Control Center のダイアログから misc を選択し , capture ボタンを押すと capture on 状態になり、通信ログがデフォルトで は capture という名前のファイルに追加書き込みされます。(ホスト別に、異 なるファイル名のキャプチャ・ファイルに書き込むようにすることは、何らか の方法で出来ると思いますが試してません) この際、^@ や ^M, ^Q などのキャラクターもファイルに落とされます。これが あると lmes などで閲覧ができません。(lmes とは Nifty 会議室ログブラウ ザで、Nifty Serve の FUNIX フォーラムのデータライブラリ 17番に 360 VYX00311 97/03/15 115290 171 B lmes-200.tgz / Nifty 会議室ログブラウザ と登録されています) この問題を解決するには、以下のようにします。まず、nif2unix という名前で 下記のようなスクリプトファイルを作ります。 #!/bin/sh # For GNU tr. ---> ^M, ^@ (NUL), ^H, ^O, ^S, ^Q, ^V, ^C is deleted. # tr -d '\r\000\008\017\023\021\026\003' $i # tr -d '\r\000\021' $i # target IS CHANGED ! # ... and it is backupped as /tmp/nif2unix.backup. for i in $* do cp -f $i /tmp/nif2unix.backup tr -d '\r\000\017' $i rm /tmp/nif2unix.backup done 下から3行目の tr の行は、最初のほうにコメントで書いてある何れかに換え たほうが良いかもしれません。次に、 nif2unix capture* などとして使います。元ファイルを書き換えてます。お使いのブラウザが標準 入力をサポートしてるなら、 tr -d '\r\000\008\017\023\021\026\003' だけのスクリプトにして、 nif2unix logfile | browser などとして起動すれば良いし、さらに面倒ならこの1行もスクリプトにしてし まえば良いでしょう。tr については、man tr してみてください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 8. seyon でテキストファイルをアップロードするには? 会議室で発言するとき、いつもオン書きでは疲れます。(^^; そこで、作成した テキストファイルを通信中に画面に流し込む方法を探してみました。 1. mule などのエディタで作成したテキストファイル(例えば uptext.euc)を ホームディレクトリにもってきます。 2. そのファイルを nkf -s uptext.euc > uptext.sjis のようにして, shift-JIS 形式のファイルを作成します。 3. Seyon Command Center の Misc ボタンをクリックします。 4. Divert ボタンをクリックします。 5. File Name: と催促されますので (2) で変換したシフトJIS のテキストファ イル名を入力します。 6. OK ボタンをクリックします。 上記 (4) の Divert ボタンをクリックする前に、ファイル名や内容を確認した い場合は、Suspend ボタンをクリックするとシェルのプロンプトが表示される ので ls とか vi コマンドを使えば良いでしょう。 less コマンドだと字化け しました。 シェルを終了させるには、exit と入力します。この Suspend ボタンによる方 法の場合、オンラインとオフラインの表示が同じ Seyon Terminal Emulator の ウィンドゥに表示されますが、オフライン表示、即ち Suspend ボタンをクリッ ク〜 exit までの内容はホストには送信されません。 両方の表示が同じウィンドウに表示されるのはいやだという方は、別の kterm を起動して下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 9. Nifty の BPlus でファイルをダウンロードするには? Nifty-Serve の FUNIX フォーラムのデータライブラリ 13番 (Linux)の中に、 127 MHD01611 94/12/21 44463 896 B bpl52ux.lzh B Plus ファイル転送 というファイルをダウンロードします。( bpl52ux.lzh のダウンロードだけは DOS もしくは Windows 系の通信ソフトを利用するしかないみたいです) これを 展開して make すれば、bpl が生成されますので、それを /usr/local/bin に コピーします。 次に、~/.seyon/protocols というファイルの一番最後の行に次のように付け加 えます。 ============ここから================== "RECEIVE - B-PLUS" "$cd ~/; bpl" n ============ここまで================== 各フォーラムのデータライブラリや ftp サイトでダウンロードするときは、次 のような流れになります。 ============ここから================== プロトコル (1:XMODEM 2:BPLUS E:終了) :2 ダウンロードファイルを格納する準備をしてください(BPLUS) 123456789バイトあります ファイル名 (改行のみで終了) :hogehoge.lzh −ダウンロード開始− ここで、Seyon Command Center のダイアログから、Transfer を選択し RECEIVE - B-PLUS を選択すれば、ダウンロードが開始されます。 ============ここまで================== [参考]: FFMHOB フォーラムの9番会議室(3131,3135)で bpl62src.lzh について討論がなされています。bpl について興味のある方は、参考にさ れたらよいと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 10. ロックファイルの問題について (この章については Slackware : 3.0 で確認した内容です。 slackware 3.1, 3.2 で、ロックについて seyon が修正されているかどうかに関してはわかりま せん。ご存知の方は是非お知らせ下さい) ロックファイルとは何か?ということについては、JF の Serial HOWTO の後の 方に書いてあるのでご参照下さい。 seyon は、結構古いアプリケーションなので、伝統的なディレクトリ /usr (var)/spool/uucp にある LCK..cua* といったロックファイルを使います。 最近の Linux の FSSTND (File System Standard) 仕様では、BSD (POSIX ?) と同様のロックディレクトリ/var/lock(s) が標準のロックファイルのディレク トリになっています。 最近の ppp, mgetty などは、新しいロックディレクトリ /var/lock(s) を見ま すから、これらと併用すると、ロックディレクトリや、ロックファイルの不一 致により、色々な不都合が生じます。たとえば、mgetty との併用でうまく発信 できない、他人がシリアルポートを使っているのに、Seyon が起動できてしま う、などといった問題です。 オリジナルの Seyon を FSSTND 仕様に合せるためには、seyon のソースを修正 してコンパイルし直す必要があります。たとえば、slackware 3.0 などに収録 されているバイナリはこの問題が修正されていません。下記のパッチを当てて 、コンパイルしなおしてください。作業手順は、 1. slackware 3.0 のソースディレクトリ(たとえば /cdrom/SLACK300/source/ xap/seyon) にある Seyon-2.14c.tar.gz を適当な作業用ディレクトリで解 凍します。 tar zvxf /cdrom/SLACK300/source/xap/seyon/Seyon-2.14c.tar.gz 2. ディレクトリ seyon に移動してから下記パッチリストの内容を当てる。 cd seyon patch -p1 < PATCHFILE 3. コンパイル、インストール。 make ; su ; make install 下記のパッチが素直に当たらない場合は、パッチを参考にして手作業でソース を修正してください。 ちなみに、このロックディレクトリ/ロックファイルは、シリアルポートを用 いる全てのアプリケーションで整合している必要があります。 Seyon のように、オリジナル状態で FSSTND 仕様を満たしておらず、修正が必 要なものとしては、たとえば、Linux に移植されている iij-ppp0.94beta2 な どがあります。 一方、FSSTND 仕様に対応済みのものは 2.2.0f 以降の ppp や mgetty 1.0.0、 kermit 5A(190) などがあります。mgetty の場合は、ロックファイルについて は policy.h の変更により種々のカスタマイズが可能です。kermit 5A(190) に は FSSTND 仕様でコンパイルするためのスイッチがあります。 なお、下記のパッチでは、ついでに、kermit 5A(190) や、ppp-2.2.0f、デフォ ルトの mgetty-1.0.0 などと同じように ASCII_PID の lock file を用いるよ うにしてあります。 diff -ur seyon/SePort.c seyon-linux-ffstnd/SePort.c --- seyon/SePort.c Wed Apr 21 22:38:31 1993 +++ seyon-linux-ffstnd/SePort.c Tue May 13 12:36:44 1997 @@ -1031,7 +1031,7 @@ } #if LF_USE_ASCII_PID - sprintf(pidstr, "%10d\n", pid); + sprintf(pidstr, "%010d\n", pid); /* Just like kermit, ppp */ write(lfd, pidstr, 11); #else write(lfd, (char*)&pid, sizeof(pid)); diff -ur seyon/config.h seyon-linux-ffstnd/config.h --- seyon/config.h Wed Apr 21 21:47:48 1993 +++ seyon-linux-ffstnd/config.h Tue May 13 12:29:43 1997 @@ -292,8 +292,12 @@ * HDB uucp does) rather than in binary form as other uucp prgrams do */ #ifndef LF_USE_ASCII_PID +#ifdef linux +#define LF_USE_ASCII_PID YES /* Just like kermit, ppp, default mgetty.. */ +#else #define LF_USE_ASCII_PID NO #endif +#endif /* * Wether you want lock files to be in the form LK.inode.major.minor @@ -309,7 +313,11 @@ */ #ifndef LF_PATH +#ifdef linux +#define LF_PATH "/var/lock" /* Linux FSSTND spec. */ +#else #define LF_PATH "/usr/spool/uucp" +#endif #endif /* #ifdef linux はもっと前のほうに書く場所があったような…。ま、いいか。 strings `which seyon` | grep ^/ とでもすれば、どこにロックが書かれるかわかります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 11. 参考資料 ・ seyon, kterm, xterm, tr の各マニュアル ・ /usr/doc/seyon ディレクトリ下の各マニュアル ・ JF の Serial HOWTO ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 12. Copyright 12.1. 著作権 川岸 良治 kawagishi@pa.aix.or.jp KFA02544@niftyserve.or.jp 1,2,3,5,11,12章、および全体の編集 このドキュメントの作成にあたり、以下の方々のご協力を得ました。 大森 康夫 ohmori@sunfield.or.jp KGG00203@niftyserve.or.jp 4章 小倉 俊昌 toshi@kakaa.or.jp PXR00371@niftyserve.or.jp 4章 司馬 遼 BXI05301@niftyserve.or.jp 4章 中田 伸悦 7L3VZI@B.C.Shambleau GEA02117@niftyserve.or.jp 4章 難波 清一 sn@asahi-net.email.ne.jp GBC00441@niftyserve.or.jp 7,10章 松永 千春 VYQ04154@niftyserve.or.jp 4,6,8,9章 花高 信哉 hanataka@abyss.rim.or.jp 2章[参考2] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 12.2. 改版履歴 第1版 1997年5月22日:初版発行 第2版 1997年6月 1日: 2章 (5) の /dev/cua0 を /dev/ttys0 に変更。 また、[参考2]として ttyS? と cua? の違いの説明を追加。 同様に、4章4 も /dev/ttys0 に変更。 1章および3章 (2) を少し修正。12章を追加。