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2. なぜviなのか?

システム構成やそのときの状況によるので一概には言えないことですが、 viの必要性について私なりに考えたことを以下に書きます。

万が一、ハードディスクトラブルなどでLinuxがシステムダウンした際には、 レスキューフロッピーやシングルユーザーモードでシステムを立ち上げて、 設定ファイルの内容を書き換えたりしてシステム復旧を試みるわけですが、 このような場合emacsよりもviが動く可能性が高いです。

それは、emacsはviよりもかなり大きなプログラムでディスク占有率も大きいため、 ディスククラッシュの際、emacsに関わるデータが破壊されている可能性が確率的に高くなり、 結果的にコンパクトなviが生き残る可能性があるためです。

レスキューフロッピーで立ち上げた場合などでも、 /binディレクトリが生きていてこれがmountできればviは使えます。 一方emacsは、/usr以下の諸々のファイルが生きていないと動作に不都合を来たすと考えられます。

また、viはコンパクトですから、レスキューフロッピーの中にviを仕込んで置くことも可能です。 emacsは当然フロッピー1枚に収まるサイズではありません。

そんなわけで、viも使えた方が何かと便利ですよ、とここでは薦めています。

(余談1)
Linuxの入門書等では、 「ユーザーがrootでもあることがほとんどなので、 tcshよりbashを覚えた方が、起動スクリプト等の見通しが良くなるし、 一つのシェルを覚えるだけでよいので、お勧めです!!」 という紹介がよくあります(私自身もtcshよりbashが便利な部分が多いとは思います)。 ならば、エディタだってrootが必ず使う必要のあるviを勧めるのが筋では? と少し思ったりしますが"emacsは環境である"という言葉もあるので、 環境にはなり得ないviの肩身は狭いのかも知れません。 それでも私はこれからもviを使い続けるでしょう (emacsも使えたらかっこいいだろうな、と思いつつ)。


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