5.2. 更新

LILO はカーネル、全てのシステム、そして若干ですが LILO 自身の更新の影響を 受けます。大抵は、そのような更新の後、/sbin/lilo を実行するだけで、(少なく とも LILO に関するものは)すべて更新されます。

5.2.1. LILO の更新

LILO を新しいバージョンに更新する前に、少なくとも以前のリリース物との互換性 について記述したファイル、INCOMPAT だけは読んでおく必要があります。

その後、最初にやることは、初期インストール時に行ったことと同じです。− 全てのファイルを解凍し、Makefike を作成して、make で実行ファイルを作成し、 make install でファイルをインストールします。

boot.b, chain.b などの古いバージョンは、自動的に、boot.old, chain.old などに リネームされます。これは、たとえインストール手続きが完了しなかった場合でも、 起動ができることを保証するために行います。boot.old, chain.old などはマップ ファイルが再作成された後、削除されます。

boot.b, chain.b などはその場所が変わりますし、マップファイルのフォーマットも 変わるかもしれないので、ブートセクターとマップファイルは必ず更新しなければ いけません。そのためには、/sbin/lilo を実行してください。

5.2.2. カーネルの更新

LILO がアクセスするカーネルファイルが移動したり、上書きされた場合は、必ず マップの再作成を行う必要があります。 [1] そのためには、/sbin/lilo を実行して ください。

カーネルは、``zlilo'' というカーネルを /vmlinuz にコピーして、/sbin/lilo を 実行する make ターゲットを持っています。

5.2.3. システムのアップグレード

通常、システムのアップグレード(例えば、インストール、パッケージの削除、インス トールされたバイナリファイルの大きな配置換えなど)は、LILO には影響しません。 勿論、もしその過程で、新しいカーネルがインストールされた場合は、通常のカーネル の更新手続きを、引き続き実行する必要があります(カーネルの更新セクションを 参照してください)。またもしカーネルが削除されたり、追加された場合、たぶん設定 ファイルの更新も必要になるでしょう。

もしこのシステムのアップグレードによって、LILO が更新された場合は、必ずこの システムの起動の前に、/sbin/lilo を実行する必要があります。この重要な手続きを 自動的に遂行するために、そのアップグレード手順に頼ることは、一般的にはあまり いい手段とは言えないでしょう。

しかし、パーティション全体(たとえば /, /usr など)の削除や再作成を引き起こす ようなシステムのアップグレードの場合は、話が別です。まずは、このようなことは 極力避けるべきでしょう。なぜならそれは重要なファイル、たとえば先週1週間かけて いじくった /etc/XF86Config などを失う危険性が非常に高いからです。もしそんな アップグレードを無理矢理にでも行うなら、それは LILO の完全な削除と同じなので、 新たなインストールが必要です。それゆえ、LILO のアンインストール セクション と LILO の更新 セクションで説明している手順 を実行する必要があります。もし この破壊的アップグレードを行う前に /etc/lilo.conf のバックアップを取り忘れた 場合、標準初期インストールのセクションからまた始める必要があるでしょう。

Notes

[1]

いつも使っているカーネルを変更した後にマップの更新を忘れても、起動が できるように、別の、正しく動作するカーネルイメージを残しておくことを お薦めします。